坐骨神経痛の改善例|60代 女性 接客業
今回は坐骨神経痛の改善例をお伝えします。
症状・診断
60代女性のMさん。左の腰から膝、そして足先までの強い痛みがあり、整形外科では、腰椎椎間板ヘルニアからの坐骨神経痛と診断されていました。整形外科での約1ヶ月のリハビリでもあまり症状に変わりはなく、また鍼灸整体院での鍼治療などでも思うように改善しないことから、当院へ来院されました。
Mさんは、パートで接客のお仕事をされている中、ある期間にとても忙しく、しゃがみ込んだり中腰の姿勢をとることが多くあり、それが負担になったとの自覚がありました。
治療計画・方針
Mさんのお体に触れていくと、体の力が抜けていない状態が強く、腕や脚などを動かす際に、グッと無意識に力を入れてしまうほど敏感になっていました。痛みが強い症状の患者さんほど、このように痛みから体を守ろうと緊張が強く敏感になっていることが多いです。部分的な痛みだけではなく、体全体の緊張が症状の改善を妨げていることもあるので、お体全体の筋肉の緊張をとりながら施術をおこないました。
また、整形外科で「体幹が弱い」と言われて、リハビリも体幹を鍛える内容だったとのこと。そのこともあって、Mさんは、少し楽になったら早く体幹を強くすることをやりたいお気持ちのようでした。もちろん体幹をしっかりさせることは必要です。しかし、痛みがあったり筋肉の緊張が強いときは、体に負荷をかけることが更に緊張を生むことにもつながります。Mさんには、今は体に色々与えるのではなく、負担を取り除くことを優先しましょうとお伝えしました。
症状改善までの経過
1週間後の2回目の施術でお伺いすると、初回の施術のあとは、2〜3日「ものすごく眠かったです」と言われました。そして、症状には特に変化はなかったようです。でも、このように眠くなったり、または体がダルくなったりする反応は、体が緩んで血流が良くなった時に起こる反応でもあるので、体が変化し始めた良い傾向なのです。
その後、3回目の来院の際は、「痛みを感じることが少なくなりました」と、少し楽になった報告があり、少しずつ体の緊張も和らいでいきました。そして、4回目には「今週はだいぶ楽でした」とさらに改善している様子で、「駅で小走りしても痛みが強くなりませんでした」と、無意識に小走りできたことを安心した表情で話されました。
そして、1〜2週間に1度の施術を数回続けていきました。現在は、坐骨神経痛の強い痛みはなくなって、ずっと座っていた後の動き出しに違和感が出る程度で、日常生活にはほとんど支障のないところまで改善しています。
施術家からのコメント
坐骨神経痛の症状は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因と診断されることも多いです。しかし、原因となっている骨のまわりの筋肉を柔らかくすることで、症状も和らいでいくケースが多いです。施術ではお体の状態を見て、特定の場所だけでなく症状に関係している筋肉のつながりも含めて全身を整えていきます。
Mさんは、施術を受けた直後に「血流が良くなっているのが分かります!」と言われるようになりました。また日常でも、「最近、体が温かくなっている感じです」とも言われ、症状の改善だけでなく、体の感覚が変わってきたことに気づきがあるようです。こうした感覚からも、今まで緊張が強かった全身の筋肉が緩み、神経や血管の圧迫が改善されたことが伺えるいい反応であると言えます。
このように、体の感覚をしっかり感じることができることは、無理をせずに早めに休んだり、コントロールできる力が身につくことになり、症状の改善にはとても大事なことなのです。
ヨガや水泳を少しずつ再開していこうと考えられているMさん。まだご自身のお体には、猫背気味の姿勢が気になっていたり、首まわりが硬く、枕が合っていないなどの心配もあるようです。引き続き更にいい状態を目指して一緒に取り組んでいきたいと思います。