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手根管症候群 改善例|70代 主婦

手根管症候群

手根管症候群

今回は手のしびれ(手根管症候群)の改善例をお伝えします。

症状・診断

70歳女性Aさん。10年ほど前から両手のしびれがあり、半年前からは、しびれで夜中に目が覚めるほど症状が悪くなってきました。しびれは両手の手のひら全体にあり、特に中指と薬指のしびれが強いそうです。整形外科で手根管症候群と診断され、これまで電気治療やけん引などを受けて来られたようですが、思うように改善せず手術を勧められたそうです。

お医者さんからは「日帰りでできる手術なので」と簡単に済むような話だったそうですが、Aさんは「手術はしたくない」との思いでした。そこで心配された娘さんが色々と調べて、手術をしなくても治る可能性を伝えている当院のホームページをご覧になり、来院となりました。

治療計画・方針

Aさんの体を診ていくと、首まわりの筋肉の硬さと腕の筋肉(特に肘から先の前腕)の硬さが目立ちました。肩こりも慢性化しているようで、「肩こりは学生の頃からです」と言われました。手根管症候群や腱鞘炎を含めて、手指に様々な症状が出ている方は、同時に肩コリや首コリの症状があるケースが多く、これらのコリが腕の筋肉や筋膜を硬くし、血管や神経の圧迫を引き起こして、手指の痛みやしびれを発症させていることが考えられます。

ですので、しびれのある腕だけに対処するのではなく、肩や首まわり、肩甲骨を含め、全身の筋肉をゆるめることを目的として施術をしていきました。

また、Aさんは長年に渡って健康体操に取り組まれているのですが、最近は動きの中でゴムチューブを使った時にしびれが出るようなので、体操も控えめに工夫しているとのことでした。Aさんには、体に何らかの症状が出ているということは、筋肉が疲労の蓄積で硬くなったり、弱ったりしている場所があるということなので、今は負荷をかける動きは一旦控えるようにアドバイスしました。

症状改善までの経過

4日後の2回目の来院日。様子を伺うと、施術を受けた当日はしびれが楽だったが、翌日の夜はしびれで目が覚めたそうです。しかし、肩こりは強く感じなかったとのこと。「いつも主人に揉んでもらっているのですが、必要なかった」と。

5日後の3回目。夜にしびれで目が覚めることが少なくなったと報告がありました。お体の状態も全体的に緊張が取れてきて、腕の筋肉も柔らかくなり、手首の可動域もだいぶ良くなってきました。

10日後の4回目。夜中のしびれも減って順調に変化が出ていたAさんですが、またしびれが強くなったとのこと。実はご近所にご不幸があって、家の片付けなどを手伝い、重いものを運んで負担がかかったそうです。「また夜もしびれが出ました」と、少し残念そうに報告がありました。
しかし、筋肉の柔軟性が出てきて、血流も改善してきているので、治癒力が付いてきているはずです。Aさんには「元に戻ってしまったのではなく、回復も早くなるはず」と伝えました。

10日後の次の来院時には、しびれも改善した報告。夜のしびれもたまにある程度で、スーッとすぐに治ると。さらに昼間はしびれのない日も多く、忘れている時が増えてきたそうです。
その後は、1〜2週間に1度のペースで約1ヶ月施術を行い、先日の来院時に状態を確認すると、昼間にたまにしびれはあるものの、気にならない日が多いと。また夜にしびれで目が覚めることはなくなったとのこと。Aさんは「いつも寝る前に、また寝ていてしびれたらどうしよう…という不安がなくなった」と安心した様子でした。このように、精神的な不安が少なくなれば、体の緊張も少なくなり、治癒力が進みやすくなります。引き続き良い状態を目指して施術を続けています。

施術家からのコメント

10年以上も前からのしびれの症状があるAさん。実は症状がひどくなってきた半年前から、愛犬の世話が多くなったとのことでした。高齢の犬で常に目が離せず介助が必要だったそうです。そうしたことも体の負担を大きくしていることが考えられました。ですので、犬の介助をできるだけ家族にしてもらうように頼まれたそうです。

このように、習慣のなかで積み重なったものが症状につながっていきます。どんな治療を受けるにしても、できる範囲でいいので、同時に負担になっていることに目を向け、負担を減らす工夫が改善のスピードを左右します。
また、Aさんのように手術をしないと治らないと言われていた症状が、軽減されてくると不安が希望に変わっていきます。そうした気持ちも症状の改善には影響していったと思います。

先日の来院日には、長年気になっていた指の爪にも変化が出てきたことを話されました。
「長い間、左右の親指、人差指の爪の際が腫れていて、色々検査や治療をしてもダメだったけど、最近爪の際や爪の色がきれいになっています」と思わぬ変化に不思議な様子でした。施術では基本的にお体全身を緩めていくので、主訴の症状以外の反応が出ることも良くあります。Aさんの爪にどのような影響があったかは分かりませんが、腕を含めた体の血流改善をはじめ、本来持っている体の働きが活性化した可能性はあると思います。

引き続き、体の可能性を楽しみながら、完治を目指していきたいと思います。

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