手術宣告された手根管症候群が完治|60代 男性
整形外科にて「ゆくゆくは手術」と言われていた手根管症候群が完治したIさん(60代・男性)の改善事例を紹介します。
Iさんは日本百名山をすべて制覇するほどの登山経験豊富な方でしたが、とてもじゃないけれども今の状態では山には行けないとおっしゃっていました。
症状・診断
Iさんの症状が始まったのは3〜4ヶ月前からでした。
・左手全体のしびれ(特に親指〜中指が強め)
・当初は夜中〜朝だけだったのが、常時しびれるように
・こわばりや握力の低下も出てきて不安
整形外科で処方された痛み止め薬では改善せず、このまま治らない場合、最終的には手術を打診されました。
治るなら手術でも良いとはじめは思ったそうですが、よくよく調べると確実に治る保証があるわけではなく、術後後遺症の可能性もあることや手術後はしばらく手が使えなくなることを懸念し、ホームページで手術なしで治る方法を探して当院に来院されました。
実は10年前にも一度、同じようなしびれが起きたことがあり、当時受診した医療機関では頚椎脊椎管の変形が原因だといわれていました。
登山が長年の趣味であるIさんは、急斜面を登る際に鎖につかまったり、岩をつかんだりして手を酷使してきたことのほか、滑ったり転んだりして骨折するほどのケガを身体中にしてきたこと、さらには、デスクワーク続きによる猫背も関係しているのではないか?という考えもあり、患部だけを手術することに納得しきれていなかったこともお話ししてくれました。
治療計画・方針
Iさんの身体は全体的に硬いところがありましたが、中でも首〜肩から腕〜手にかけて特に筋肉が硬く張っていました。
いずれも手指につながる神経の通り道です。
・このうちのどこかで神経の圧迫が起きている可能性があること
・筋肉の硬さが原因であれば、柔らかくしていくことで圧迫が解消され、症状改善していく可能性が高いこと
・仮に頚椎の変形(ヘルニアや狭窄など)があるとしても、症状改善していく方が多いこと
などをお伝えし、週1回ペースで施術を受けることになりました。
症状改善までの経過
初回施術後:翌朝はほぼ症状を感じなかったが、その後は元どおりに。手や腕をゆるめるためのセルフケアをお伝えした。
2〜4回目:大きくは変わらないが、少しずつ良い感じ。
Iさんから、握力の低下が不安なため筋トレをした方がいいか?と質問があったが、筋トレは筋肉を縮める動きの繰り返しのため、FMT整体の施術の目指す方向性(=ゆるめる)とは正反対なので、現状ではおすすめできないと回答した。
※補足
Iさん同様、手根管症候群の患者さんの多くが筋力の低下を懸念します。医療機関では鍛えるようにいわれるのに対し、当院では筋トレはおろか、ストレッチすらも場合によっては控えるようアドバイスするため、心配はなおさらだと思います。
ですが、焦って強い刺激を与えると筋肉はさらに緊張してしまいます。安静にしていた方が筋肉はゆるみやすく、結果的に血流が改善し、神経のはたらきが正常化すれば、筋力は自然と戻ってきます。事実、筋トレを一切やっていなくても、多くの患者さんが筋力回復していきます。
5回目:1週間のうちの2日間はほぼしびれがなかった。麻痺感やこわばりも減ってきた。
調子が良いので、セルフケアをいくつかお伝えし、2週間に一回のペースに切り替え。
6〜7回目:しびれだけではなく、握力も少しずつ回復。手の動きも良くなってきた。
8回目:順調。残すは若干のしびれのみ。1週間前、久しぶりに軽めの登山に行くことができた。
(Iさんは「軽め」と言いましたが、富士山の比較的簡易なコースに登ってきたようです。)
調子が良いので、セルフケアを追加して次回は1ヶ月後に。
9回目:良い。手を握った時に指に痛みを感じるのと、まだ握力は完全ではないが、しびれはほとんどなくなる。
さらに1ヶ月後。
10回目:「ほぼ完治したと言えるまでになったと思います。」とのこと。握力もほとんど回復。不安は全くなくなり、よほどのことがない限り大丈夫だと思えるまでになったため、一旦通院は終了。
=====
Iさんは、9回目の通院の頃には、身体を動かしても大丈夫だとご自身で判断してフィットネスクラブに入会したと言います。
そこでも、がむしゃらに力んでやるのではなく、無理しすぎない程度に調整しながらやっているとのことで、FMT整体でお伝えしてきたことを守りながら取り組んでくださっていることがわかりました。
力の加減をしながら取り組むことで違和感に早く気づけるようになり早め早めのケアができるので、結果的に再発しにくい状態につながっていくことをお伝えしました。
施術家からのコメント
施術を初めて受けた時のIさんの感想は、「想定よりもはるかに軽い施術だったので驚いた。」でした。
また、当院からのアドバイスは医療機関で言われることとも見事に正反対だったので、最初のうちはずっと半信半疑だったのではないかと思います。
ですが、こちらからのアドバイスは初回から忠実に実践したとおっしゃっていました。
手術しないで治すという強い気持ちや、登山再開への強い熱意で取り組んだ賜物だと思います。
これからまた登山にうってつけの季節がやってきました。身体のケアを続けつつ、これからも長く登山生活を楽しんでくださいね!