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【訪問施術事例】手首骨折に伴う親指付け根の痛み|女性 40代

腱鞘炎自律神経失調症

手首骨折に伴う親指付け根の痛み

訪問施術にうかがっている都内にお住まいのIさん(40代・女性・会社員)の腱鞘炎の改善事例です。

「もうこのまま一生治らないのかも。」と思っていたところ、インターネットで当院のことを知り、自分の腱鞘炎も治るかもしれないと思いました。

Iさんの家から最寄りのFMT整体までは、電車で片道40〜50分ほどの距離でしたが、腱鞘炎の痛みによるストレスや家族の介護疲れ、法事などいろいろなことが重なって、精神的に余裕がなく、とてもじゃないけれども外出する気力が湧かずにいたそうです。

しかし、自宅で施術が受けられる「訪問施術」をやっていることも大きな決め手となって、予約を取られました。

症状・診断

Iさんは、7ヶ月前から右手親指の根本の痛みに悩まされはじめました。

・グーができない、グーをするとピーンと張る痛みが出る
・強い力ではなくても、引っ張られる感じの痛みが出る

家事、書き物、PC作業など、ちょっとしたことでも痛むため、うかつに手を動かせませんでした。

きっかけは、さらにその2ヶ月前に転んで橈骨遠位端骨折(とうこつ えんいたん こっせつ)の手術をしてからだそうです。手術そのものは成功し、経過も順調だったそうなのですが、その後、再び自転車で転んで手をついたことで痛みはじめました。

病院で検査をしたところ、骨に異常はなし。

診断では、それとなく腱鞘炎のようなことを言われ注射を打診されましたが、根本的に治るわけじゃないなら打ちたくないと断りました。手術も示唆されたようですが、すでに一回骨折の手術をしている箇所なだけに、これ以上切るのも嫌でした。

他にどうしたらいいかわからず、Iさんにできるのは、気休めと思いつつも処方された湿布を貼ることくらいでした。

しかも、ちょうど痛めたのと同じタイミングでお父さまの介護が始まったため、ただでさえ痛いのをさらに無理して使っていました。そのために仕事を休職し、一日中介護をする生活が半年以上続いたようです。

私が初訪問した2ヶ月前にお父さまは亡くなられてお葬式も済ませ、ようやくひと息ついた頃でした。しかし、介護の負担はなくなったにも関わらず親指の痛みは引かず、このままでは仕事(PC作業)に復帰するのが不安だとおっしゃっていました。

治療計画・方針

経験上、腱鞘炎をはじめとする手や指周辺の痛みを抱えている方の多くは、腕が全体的に硬くなっている傾向が見られます。腕が硬くなるのは肩周りの動きの悪さも関係しています。

また、首や頭などに強い緊張がみられるケースも多いです。

Iさんも多分にもれず、肩甲骨まわりの筋肉の緊張からくる肩や肘の動きの悪さや、首や頭部に強いハリが特に目立ちました。

痛みが出るのを警戒してついつい体が力んでしまったのか、それとも介護などの疲労蓄積か?あるいはその両方かもしれません。首・肩こりや腰痛が長年慢性化してるとのことでしたので、元々の体の使い方が影響している可能性もありました。

転んで手をついたことがきっかけでしたが、そこで打撲したかひねったかで炎症が起きているにしても、本来は時間の経過とともに自然治癒していくものです。それが半年以上も治らないということは、回復を妨げている何かがあるはずです。

当院では多くの場合、筋肉の緊張によって血流が阻害されることが、慢性痛を治りにくくさせる大きな要因だと考えているため、緊張が強いところを優先的に緩めていくこととが先決だとIさんにお話し、はじめのうちは週1〜10日前後ペースでの施術を提案しました。

湿布は効果を感じていない様子だったので、やめるようにお伝えしました。

湿布に含まれる消炎鎮痛剤は、血流を低下させ痛みを感じにくくさせるため、血流をよくして根治させていこうとする当院の考えとは正反対であり、使い続けるとかえって治りが遅くなってしまう可能性があることも一緒に伝えました。

施術の経過

初回:痛みや可動域に大きな変化はなかったが、施術を受けたあとは心地よい眠気に包まれた。

いつもは疲労からくるだるい眠気を感じることが多いというIさん。聞いていくと、不眠症を以前から患っていて、寝つきが悪かったり夜中に起きてしまうことが多いという。

首や頭の緊張が強いと自律神経が乱れ、不眠症などにつながることは多いので、腱鞘炎も不眠症も原因部分が重なっている可能性があることを伝え、指だけではなくそれらの部位も同時に診ていくことに。

2回目:なるべく使わないようにしているが、まだわかりやすい変化はない。この日は、Iさんの体の中でも特に緊張が強い肩甲骨を動かすエクササイズをお伝えした。

3〜4回目:最初の痛みが10だとすると、3くらいまで落ち着いてきた。冷たいものを飲まないようにしたり、ご自身でも体を冷やさない努力をしていた。

前回お伝えしたセルフケアがうまくできている様子だったので、さらに指を動かす際の原動力となる前腕部分の筋肉をストレッチするエクササイズをお伝えした。また、呼吸の浅さも気になっていたので、胸郭をストレッチするエクササイズも伝えた。

まだ完全に痛みが取れたわけではないが、半年以上変わらない痛みに悩んでいただけに、Iさんからは、当初、表情や言葉に焦りやイラ立ちが感じられたが、今回、「一生治らないと思って絶望していたので、治るんだって思えるようになりました。」と笑顔が見れた。

5回目:何回か、布団を片付けた際に、ピリッとした痛みが出た。すごく強いわけではないが、一番痛かった時のことを覚えているため、うかつに動かすのがまだ怖い状態だった。手首を回すエクササイズを伝えた。

しかし、ここのところ睡眠の質が上がってきたといい、スムーズに寝付ける日が増えてきたという。肩甲骨は施術に来るたびに柔軟性が戻っているので、首や頭部への血流も回復しはじめたからではないかと思う。

6回目:当初10だった痛みは、1になり、ほとんど違和感程度にまで回復した。このとき、初診から2ヶ月の間経っていたが、「なるべく使わない」を根気よく徹底したといい、やっと動かす時の怖さが薄れてきたという。

睡眠の質はさらに上がり、毎日スムーズに眠れているとのこと。

ここからは2週間ペースに。

7回目:腱鞘炎の痛みは全くなくなる。骨折の手術による拘縮感はある。せっかくよくなってきて、ぶり返しが怖いので、引き続き使わないようにして過ごした。

8回目:痛みのぶり返しはなかったので、怖さはかなり薄れてきた。仕事への復帰も不安が薄れてきた。

体を見ても当初からかなり柔軟性が高まり、問題ないと判断。何よりIさん自身が、自分でケアしていける自信がついたため、一旦定期訪問は終了。

手術後の拘縮感にも、お伝えしたケアは有効なので、継続するようアドバイスした。

施術家からのコメント

Iさん、痛みがなくなって本当に良かったですね。

もともと口数がそんなに多くはないIさんから「絶望」という言葉を聞いたときは、かなり思い詰めてらっしゃったんだろうと思います。お父さまの介護に法事、仕事復帰への焦りなどで疲労が積み重なったところに、痛みによるストレスが追い討ちとなっていたのではないかと思います。

でも、あれこれとお伝えしたセルフケアを真剣に取り組まれているんだなということは、毎回お体を診るたびにしっかり伝わってきましたよ。

こちらのアドバイス通り、素直に真面目に取り組まれた方は回復が早いです。

まさに努力の賜物ですね。お大事にしてください!

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■当院の訪問施術は、さまざまなご事情から「施術を受けたいけれども通院するのがむずかしい」という方に多くご利用いただいています。

足が痛くてたどり着けない、出かけられるようなレベルの痛みじゃない、家族の介助がないと外出できない・・・などの身体的理由から申し込まれるケースが特に多いですが、

介護や子育てで出かける時間がない・・・などといった時間に余裕がない方や、

今回のIさんのように、心身ともにヘトヘトで心理的に出かける気力が湧かない、行くだけで疲れてしまう・・・などといったケースにももちろん対応しています。

「こんな状況でも来てもらえるのか?」と思われましたら、メールもしくは、最寄りのFMT整体まで遠慮なくご相談くださいね!

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