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アレルギーに悩まされているあなたへ FMT流アレルギー改善法

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アレルギーに悩まされているあなたへ|FMT流アレルギー改善法

「子どもがアレルギーで献立が大変なんです。」
「薬は身体に悪いので、何とか薬を飲まずに治す方法ってないんですか?」

二人に一人以上がアレルギーに悩まされている現代。FMT整体に来院されている患者さんからアレルギーに関する質問をいただくことが少なくありません。

そもそも、ひと昔前は稀だったアレルギーが増えてきた原因は何なのでしょうか。

それを知ることで、あなたにぴったりなアレルギー改善法が分かるかもしれません。今回の記事が、ご自身やご家族のアレルギーを改善するきっかけとなることを願っています。

1.アレルギーはなぜ起こるのか

アレルギーは、「免疫」が「本来反応しなくてよいものに過剰に反応してしまう」ことで起きます。

本来、免疫は、空気中に漂う細菌やウイルス、食べ物と一緒に体内に入る病原菌や寄生虫などの敵から私たちの身体を守ってくれているのですが、

なぜか、免疫細胞(白血球)が、敵ではない花粉や食べ物などを敵と間違えて、炎症物質をまき散らすなどして攻撃することで、私たちの正常な細胞までも傷つけ、私たちを苦しめてしまうことがあります。

このように、アレルギーとは、私たちの身体の中で、免疫細胞が暴走している状態なのです。
ですから、この免疫細胞の暴走を止めることができれば、アレルギーは軽減していく可能性があります。

2.アレルギーが起こる人と起こらない人の違い

2-1.腸内環境がよいと免疫細胞は暴走しない!?

アレルギーになる人とならない人の違いはなんでしょうか。その理由の一つとして、腸内環境が注目されています。

腸内環境がよい人はアレルギーが起こりづらく、逆に腸内環境が悪い人はアレルギーになりやすいと言うのです。

その腸内環境のカギを握るのが、

・免疫細胞
・腸内細菌
・腸管バリア

です。これらは腸内環境とアレルギーにとって、切っても切れない関係にあります。順番に見ていきましょう。

2-2.腸はウンチをつくるだけではなく、免疫の中枢だった!

腸には、食べ物と一緒に私たちを殺すこともできる怖い細菌やウイルス、寄生虫なども入ってきます。

また、腸には100兆個以上もの腸内細菌が住み着いています。私たちの体の中には、私たちの細胞の数より多い自分以外の生物が住んでいるのです。

これらの細菌などが腸内の壁を破って身体の中にまで入ってくると大変ですから、腸の壁には様々な仕組みがあります。

その一つが、腸の壁のすぐ内側にびっしりと配備されている「免疫細胞」です。全身で2兆個あると言われている免疫細胞のうち、なんと約7割が腸に集中しています。そうやって腸から体内に入ろうとする細菌などの外敵から身を守っているのです。

腸がすごいのは、様々な細菌を敢えて少しだけ体内に取り入れるパイエル版という部分を持ち、本当の敵にだけ反応するように免疫細胞を訓練したり、腸内細菌を制御する物質を作り出したりすることです。

腸は、そのようにして免疫細胞や腸内細菌をコントロールし、腸内のバランスをとり、鍛えあげた免疫細胞を血液に乗せて全身に送り出すことで、全身の免疫力を高めています。

つまり、腸は「免疫の中枢」であり体中の免疫細胞にとって「修行の場」でもあるわけです。

この腸内バランスが何らかの理由によって崩れた時、腸内に炎症が起きたり、食物アレルギーが起きたり、全身の免疫疾患やアレルギーなどが起きたりすることが分かっています。

ですから、腸内環境をよい状態に保つことが、免疫系を正常に働かせるためにはとても大切です。

2-3.腸内細菌が腸内環境を大きく左右する

腸内環境は、腸内細菌の種類や数によって大きく左右されます。

腸内細菌には、善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)や悪玉菌、中間の菌がいて、バランスをとり平和に暮らしています(悪玉菌にも肉の分解などの大切な役割があります。)。

このバランスがよいと、善玉菌が出す乳酸や酪酸という物質で腸内が弱酸性になり、病原菌や悪玉菌が増えず、食べた物は腐らずに発酵するので、うんちの匂いもさほど臭く感じません。

また、酸性の成分で腸が刺激されるため、ぜん動運動が促されうんちが出やすくなります。赤ちゃんがうんちがすぐ出るのは、ビフィズス菌が多いからです。

人間の体内は弱アルカリ性がよいのですが、腸やお肌は雑菌などの繁殖を防ぐため弱酸性がよいのです。

ところが、食生活の乱れがある場合や精神的ストレスが強い場合、悪玉菌が増え、悪玉菌が出すアンモニアなどの成分によって、腸内はアルカリ性に傾きます。

アルカリ性の腸内では、食べた物は発酵せずに腐るため、うんちが臭く感じるようになり、ぜん動運動が起こりづらく便秘の原因になります。

そして、腸内には炎症が起き、全身の免疫細胞を異常に興奮させアレルギーが起こりやすくなります。

このように、腸内細菌のバランスが崩れ、腸内環境が乱れると、便秘や腸内の炎症だけではなく、全身の免疫系に異常を起こし、アレルギーの原因となってしまうのです。

2-4.アレルギーを鎮めるブレーキ役の免疫細胞の働き

免疫細胞には、攻撃役の免疫細胞のほかに、ブレーキ役の免疫細胞がいて、アレルギー反応を鎮めてくれるという大発見が近年なされました。

このブレーキ役の免疫細胞は「Tレグ細胞(制御性T細胞)」と名付けられました。

このTレグ細胞を増やしてきちんと働かせれば、アレルギーが改善する可能性があるのです。そのためにはクロストリジウム菌という腸内細菌が重要な役割を果たすことが分かってきました

クロストリジウム菌は、好物の食物繊維を食べると増え、酪酸という物資をたくさん出します。

その酪酸が腸の壁の中にいる赤ちゃんの免疫細胞(ナイーブT細胞)に届くと、その赤ちゃんの細胞は、Tレグ細胞に変身するのです。

そして、変身したTレグ細胞は、血流で全身に行きわたり暴走している免疫細胞の興奮を抑え、アレルギー反応を鎮めていきます。

ある報告によると、曹洞宗の総本山で修行をはじめた若いお坊さんは、クロストリジウム菌が増え、アレルギーが改善しているようです。

これは、お寺の食事が食物繊維が多いものであることが理由だと考えられています。

2-5.腸に空いた穴がアレルギーを引き起こす

食べ物や細菌などが、腸にできた小さな穴から漏れていることをご存知でしたか。

本来、腸の中の壁は、細菌や未消化の食べ物などが壁の中に入ってこないように、その表面は粘膜で覆われ、抗菌剤などを出すなどしてバリアを張っています。

しかし、腸に悪い食生活や、薬や食品添加物、精神的ストレスなどが原因で、腸内環境が悪化すると、これらのバリアに小さな穴が空いた状態になり、細菌や未消化のタンパク質(アレルゲン)などが身体の中に侵入しやすくなってしまいます。

すると、免疫細胞が反応し、炎症が起き、食物アレルギーを引き起こしたり、周りの粘膜細胞を痛めてしまったりするのです。

このようなバリア機能の悪化は、血液を汚し、全身のアレルギーに関わり、関節リウマチなどの自己免疫疾患や糖尿病などの生活習慣病などにもつながることが分かってきています。

3.アレルギーを改善する方法

①食物繊維や乳酸菌が含まれた食品を積極的に食べる

これまでみてきたように、体内への入口である腸(腸などの消化器官は生物学的に身体の外となります。)で起きている出来事は、血流に乗って全身の健康状態に影響を及ぼします。

すなわち、腸内環境が悪化すると血液を汚し、アレルギーをはじめ様々な身体の不調が現われるのです。

腸内環境をよくするためには、食物繊維や乳酸菌が含まれた食品を摂り、腸内環境を弱酸性にするビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やし、腸のバリアを強くして行くことが大切です。

また、食物繊維が多い食事ですと、アレルギー反応を抑えるTレグ細胞を生み出すクロストリジウム菌も増えます。

反対に、肉などの高たんぱく、高脂質の食生活では悪玉菌が増え腸内環境が悪くなりアレルギーが悪化する可能性が高まりますので、アレルギーを改善したい場合は、一般的にそのような食事は控え目にするほうがよいでしょう。

生きたまま腸に届く乳酸菌は、生きたままウンチで出て行く?!

実は、ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、生きたまま腸に届いても、昔から腸に住んでいる腸内細菌の中には入り込めず、ウンチと一緒に出て行ってしまいます。

では、ヨーグルトを食べることに意味がないかというと、そう言う訳ではありません。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌が腸管の免疫を刺激し、もともと腸内に住んでいたビフィズス菌が増えることがあります(これは、死んでいる乳酸菌でも同じ効果があります。)。

ただ、生きて届いた乳酸菌が腸内で増える訳ではないので、ヨーグルトは食べ続けて行く必要がありますし、それだけを食べていれば腸内環境がよくなるという訳ではありません。

また、脂肪や糖分を摂り過ぎないように注意が必要ですし、乳製品はアレルギーを悪化させる可能性があるので、自分に合う、合わない、を見極めていく必要があります。

古来の日本人に学ぶ食生活

日本人は、昔から木の実やキノコ、海藻、根菜など食物繊維が豊富な食事をしてきました。

日本人の腸には海藻に含まれる食物繊維を分解できる特殊な腸内細菌がいることが研究によって明らかになりました。この腸内細菌を持つのは、世界でもおそらく日本人だけだと考えられています。

このことからも分かるように、太古の昔から育まれてきた腸内細菌を、私たちは連綿と受け継いでいるのです。

そのため日本人の腸内には、食物繊維を好んでエサにする善玉菌やクロストリジウム菌などの腸内細菌が多く、免疫力をコントロールする能力が外国人よりとても高いことも分かってきました。

しかし、戦後の欧米化による食生活の急変に、腸と腸内細菌が時間をかけて築き上げてきた関係性が対応しきれないことで、今、免疫の暴走が起こり、アレルギーが増加している可能性があります。

ですから、私たち日本人の祖先に学び、食物繊維を多く含む果物や野菜、海藻類などを積極的に摂ることを心がけましょう。

食物繊維を多く含む野菜や果物を摂るその他のメリット

食物繊維は消化しづらいので、吸収されずに腸内にカスとして残り、不要物を絡めとり、腸を刺激してぜん動運動を促し便通をよくしますので便の量が増えます。

それだけ腸内をきれいに掃除してくれているということです(そして、朝から快便はとても気持ちがよいです。)。

さらに、果物や緑黄色野菜に多く含まれるフラボノイド(ポリフェノール)は、炎症を抑え、腸管バリア機能を回復させる効果があります。

特に、玉ねぎやリンゴに多く含まれるケルセチンというフラボノイドは腸壁を保護し、ヒスタミンやロイコトリエンなどの産生を抑え、体内の酸化や炎症を防ぐなどして、アレルギーを抑制してくれます。

事実、スタッフや患者さんでもケルセチンが多く含まれている玉ねぎの皮の粉茶を飲んで花粉症が気にならなくなった方が何人もいます。

忙しい現代社会、手っ取り早くエネルギーになるのは糖質ですが、ほとんど消化・吸収されてしまうような、白いごはんやパン、麺類、肉類が多い食事だけではなく、消化・吸収されづらい食物繊維を摂り、腸内環境を良くしていくと言う視点を持つことが必要になってきます。

なお、肉をたくさん食べているご老人がとても元気!などという事例も少なくありません。体質や内臓の強さは個人差がありますし、腸内細菌の種類やタイプ、その数も人によって様々です。大切なことは、人と比べるのではなく、自分の場合はどうなのかです。

ですから、原則や一般論や知識を理解しつつも、腸や便の調子、例えば毎日快便か、便は臭くないか、アレルギー反応はどうかなどを体で感じていくことが大切です。

②食べない時間を作る

問題は、何を食べても腸内環境が改善しない方の場合です。このような場合、それまでの生活習慣によって腸が痛んでいて、食べた物がかえって腸の負担となってしまっていることが考えられます。

そんな時、私たちがおすすめする腸内環境の整え方は、「食べない」で腸にお休みを与え、痛んだ腸の細胞を回復させてあげることです。

実は、私たちの身体には、自分で自分を食べて、痛んだ細胞を新しい細胞にリサイクルするオートファジー(自食)というシステムがあります。

このメカニズムを発表した大隅良典博士が2016年にノーベル賞を受賞されたので、ご存知の方も多いかもしれませんね。

このオートファジーの働きは、歳をとると衰えますので、年齢とともに欠陥のある細胞が増えることで様々な病気や老化を招いてしまいますが、

食事を摂らないと年齢に関係なく、オートファジーが活性化し痛んだ身体を修復してくれることが科学的に解明されました。

ちなみに、野生の動物たちは身体に不調を来すとなにも食べずに巣穴でじっとして回復を待つそうです。食べないことで身体が治って行くことを本能的に知っているのかもしれません。

人の場合、どのぐらい食事を摂らないでいれば良いかと言うと、実験では24時間ほど食事を摂らないとオートファジーが活性化し、3日で全身のオートファジーが激しく働くことが分かっています(マウスの実験による人間への換算)が、そうなると、いきなり実践はなかなか難しいと思います。

ですので、FMT整体でおすすめしているのは朝食を抜くプチ断食です。普段より空腹の時間を長くするだけでもオートファジーが活性化すると言われています。寝ている時間も空腹時間にカウントできるので朝食抜きが楽に取り組めると思います。

いきなり朝食抜きが辛い方は、はじめのうちは、朝食を生のフルーツだけにされるとよいです。フルーツだけの朝食に慣れてくると、あっさりと朝食を抜くことができると思います。

FMT整体のスタッフや患者さんもその効果を体感していますよ。おすすめです!

詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

朝食を抜くだけ! 疲れにくい体を手に入れるプチ断食のすすめ

③粘膜や皮膚のバリア機能を高める水の飲み方

腸の粘膜にはバリア機能があり、アレルギーと密接な関係があると言いましたが、皮膚にも同じようにバリア機能があります。

皮膚には、外の刺激から身を守るための丈夫な角質層と、角質層の下には、細胞同士が固く結ばれているタイトジャンクションと言われる二重のバリア構造を持っています。

このバリアは、外敵から身を守るとともに一番外側の角質層によって体の中の水分を無駄に蒸発させないような働きもしています。

この角質層のバリア機能が落ちると、外敵やアレルギーを引き起こす物質が侵入しやすくなります。

すると、普段は皮膚の深いところにいる免疫細胞が皮膚の表面近くに出てきて外敵などを捕らえることが明らかになりました。

アトピー性皮膚炎では、そうやって活性化した免疫細胞の数が増えていることも分かりました。

これが、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、喘息などを引き起こすきっかけとなるメカニズムの1つと考えられています。

ですから、角質層を乾燥などから守り、そのバリアを丈夫にすることが大切になります。
実際、アトピーは汗をかいた方が改善するとの報告もあります。

粘膜バリアはもちろん、皮膚のバリアを適正に保つためには、体に水分を十分に満たしてあげることが必要なのです。

実際、水と適量の塩分を積極的に摂ることで、肌の障害や、花粉症が改善したスタッフや患者さんがたくさんいます。

具体的な水の飲み方や理論など、やり方を間違えると逆効果になることもあります。簡単なポイントを抑えるだけですので、以下の記事を必ずご覧ください。

体の疲労・不調の解消に効果的な水の飲み方3つのポイント

④ストレスを溜めない生活習慣に見直す

「腹が立つ」とか、「断腸の思い」とか、「腹に据えかねる」などの言葉があるように、マイナスの感情が腹(胃腸)に来ることを昔の人は身体で感じていました。

現代では、ストレスが視床下部-下垂体-副腎軸を介し,消化管バリア機能異常を誘導することが分かっており、昔の人の感覚が正しかったことが科学的に裏付けられています。

ですから、できるだけストレスを溜めないようにすることが大切です。

特に睡眠不足は心身に大きなストレスとなります。できるだけ午前0時前には床につき、十分に睡眠時間をとりましょう。

また、水不足は海の生物から進化した私たちにとって大きなストレスとなり、ヒスタミンなど、アレルギーを誘発する物質が増えますので、十分に水を飲みましょう。

プチ断食は、ストレスにならないよう、「体の不調が解消できる」という明るい気持ちで行いましょう。ただ、はじめる前はストレスに感じても、実際行うとむしろ快適なことが多いです。

同じ出来事があっても、人によって受けるストレスの大きさは様々です。悪い思考を頭の中でずっと巡らせてしまうと、ストレスは増大していきます。

人間は常に思考を巡らせています。人は通常、ネガティブなことを考えるようにできていますので、思考や感情がストレスを増幅させる悪循環に陥りやすいのです。

この悪循環を断ち切る方法で簡単なのは、身体の感覚に集中することです。

時には自然の中に身をおいて、風の揺らぎや草花の薫り、鳥のさえずりや生き物の彩りなど、五感に意識を向ける時間を作ってみましょう。

自然に適応するように進化を繰り返してきた私たちにとって、自然の心地よい揺らぎのある刺激は、興奮した脳を癒し、自律神経を整え、ストレスを解消してくれるのです。

⑤薬や食品添加物などは、できるだけ避ける

特に、抗生物質は、腸内細菌のバランスを大きく崩しますので、注意が必要です。

2歳までに抗生物質をとると、7歳半の時点で小児アレルギーの発症率が、その摂取量と相関関係があることが分かっています。また、薬は、飲むと体温が下がり免疫機能に悪影響を及ぼします。

例えば、外国では風邪薬は風邪を治す効果がないので処方しない国が多いです。よい作用と副作用(薬は必ず体への害があります)を比べて、良い作用が上回る場合だけ薬を処方します。

一方、日本では、依然、多量の薬が処方されます。なぜ、そうなのでしょうか。今飲んでいる薬は本当に必要なものなのでしょうか。

現代は、多くのことをインターネットや書籍で自分で調べることができます。合理的に疑って、できるだけ薬を飲む量を減らして行きましょう(インターネットなどの情報は玉石混交でもあります。実践する場合は、信頼できるお医者さんなどに相談の上、無理をしないで取り組んでみてくださいね。)。

⑥筋肉や筋膜を緩める

現代社会では、どんなに注意しても、ストレスや食品添加物、過労、薬品、マイクロプラスチックやPM2.5などによって血液は日々汚れていきます。

これまで述べてきたように、アレルギー予防には、体内への入り口である腸内環境を良好に保ち、きれいな血液を身体の隅々まで循環させることが大切ですが、毎日必ず汚れてしまう血液をきれいにしていく機能を高めることも大切です。

そのためには、腸以外の内臓、特に解毒の機能をつかさどる肝臓と、排泄の機能をつかさどる腎臓の機能を高めてあげる必要があります。入口(腸)と出口(肝臓、腎臓)の機能が正常で、きれいな体液がスムーズに循環することで、私たちの身体はその完全性を取り戻すのです。

血液が汚れ、体液循環が悪くなるとアレルギーだけではなく、身体の機能に様々な異常が出てきます。

アレルギーなどの自己免疫疾患を持っている方は、血流が悪く体温が低い方や、リンパ節がしこりのように硬くなって流れが悪くなっている方が多いです。

これらの大きな要因となっているものが、筋肉や筋膜の緊張です。

血管やリンパ管は筋膜の中を通っていますので、筋肉や筋膜という軟部組織が硬くなると血流障害やリンパの流れを停滞させてしまい、様々な症状を発症しやすくなります。

関節リウマチも、体液循環の異常(血流障害)が大きな原因と言われていますが、リウマチでFMT整体に来院している方を触れると、腰の筋肉や骨盤や脚の軟部組織が硬く、膝裏や鼠径部など各リンパ節の場所にしこりや痛みがある方が多いです。

これらは、硬くなった軟部組織によって体液循環が悪くなっているためだと推測できます。

また、胸周辺の筋肉が硬くなることで、気道が圧迫され狭くなり喘息を引き起こす場合もあります。

更に、腸をはじめ腎臓や肝臓などの内臓は、全身を網の目のようにつないでいる筋膜によって支えられていますので、

この筋膜が硬くなり本来の動きができなくなると、腸や腎臓、肝臓などの内臓の機能も低下してしまい、入口と出口の働きが悪くなって血液を汚しアレルギーを悪化させてしまいます。

ですから、施術などで全身の筋肉や筋膜を緩めて、体液循環を正常に戻し、身体の機能を高めていくことは、生活習慣の改善と併せてアレルギー症状の改善に効果的です。

もちろん、施術を受けるとアレルギーが治るとは書けませんが、当院に通院されている患者さんは、3回から5回の施術で何らかの身体の変化を感じられる方が多く、食生活などの生活習慣の改善と併せて根気よく取り組むことで、アレルギーが徐々に改善している方が少なくありません。

⑦適度な運動をする

アレルギー体質を改善するためには、以上のことの他にも、人間は動物ですから運動が大切です。

私たちは、二足歩行を手に入れたことによって、長く歩く、走るなどの能力が生物界でナンバーワンになりました。

歩く、走るという運動は、私たちの進化の過程で身に着けてきた能力です。歩いたり走ったりする衝撃が骨や筋肉に伝わることで、私たちの身体は若返り物質を放出するなど、免疫などの身体の各機能が高まることが分かっています。

また、人はストレスが加わると歩いたり走ったりすることでストレスを解消できるようになっています。血液を汚す最大の敵であるストレスを適度な運動で発散してあげましょう。

※ただし、これらは原則論です。原則があれば例外もあり、身体の状態によっては運動することでアレルギーが悪化する場合がありますので、その時の状況や身体の反応をみていくことが大切です。

ここまで書いてきたことは、人間の進化の観点から考えると、アレルギーを解消するにあたり、実は当たり前のことばかりです。

しかし、その当たり前のことを実践できなくなっているのが、現代に生きる私たちです。人間として自然な状態から離れれば離れるほど、身体は壊れていきます。それが私たちが今アレルギーに悩まされている本当の理由なのかもしれません。

アレルギーが起こる細かいメカニズムを知ることは、頭で納得し、具体的対策を立てる上でとても大切ですが、一方で生命が歩んできた進化の歴史を踏まえた上で、身体で感じ、あなたにあったアレルギー改善法をみつけてほしいと思っています。

4.最後に

これまで見てきたアレルギー改善法の原則をまとめます。

・食物繊維やフラボノイド(ポリフェノール)を多く含む野菜や海藻、キノコ、果物などを摂る
・肉食や精製された食品はほどほどに
・ビフィズス菌や乳酸菌を含む発酵食品を継続的に摂る
・朝食を抜きプチ断食を行う
・天然塩を入れた水を意識して飲む
・ストレスをためない生活習慣に変える
・自然と触れ合う・五感に集中し思考を断つ時間を作る
・食品添加物や薬品をできるだけ摂らない
・筋肉を緩め血流を改善し、体温・身体の機能性を高める
・体調に合わせ、散歩やジョギングなどの軽い運動を行う

アレルギーの改善の秘訣は、体の機能を正常に戻していくことです。身体の様子を見ながら、できる事から一つずつ取り組んでいきましょう。