【訪問施術 事例】 顔面神経麻痺 女性
本日は、顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)の症例を紹介します。
症状
Iさん(80代女性)は、ご自宅で施術を受けられています。
顔面神経麻痺は、主に顔の片側に
まぶたが閉じられない、頬や口元が動かず口を完全に閉じることができない、例え笑ったとしても顔の半分は動かないなどの症状が出ます。
Iさんも同様の症状でした。
病院では、良い状態を40点とすると10点という重い評価でした(8点以下が完全麻痺とされます)。
一般的な原因と治療法
原因は、脳の問題の場合もありますが、多くは病気(ウイルス)やケガ等の影響で、顔面神経が炎症を起こしたり、むくんで顔の骨と骨との間で圧迫されるためと言われています。
治療はステロイドで神経のむくみをとったりしますが、劇的に効くものはないようです。
重症の場合は手術も行われ、後遺症として顔面の変化が残る場合があります。
FMT整体での考え方、施術計画・方針
一般的な麻痺などの症状は、骨や軟骨が神経を圧迫し起きると言われていますが、FMT整体では、その症状の多くが との考えに基づき施術をしていきます。
身近なことに例えれば、
正座でのしびれは、主に膝の筋肉や筋膜で神経や血管が圧迫されて起きるため、脚を伸ばすとなくなります。
ですので、顔面神経の場合、その通り道の筋肉や筋膜を緩めると神経圧迫がなくなっていく可能性があると考える訳です(顔面神経自体は痛みやしびれを感じないため麻痺だけが起こります)。
実際、FMT整体では、坐骨神経痛や頚椎症など神経圧迫による痛みや痺れ、麻痺の症状が筋肉や筋膜を緩めることで改善していきます。
今回の顔面神経麻痺ははじめて担当する症状でしたが、これらを類推し十分に改善の可能性があると考えました。
まとめると、顔面神経の通り道である顔の筋肉や筋膜を中心に、全身の筋膜のつながりを緩めることで、
① 筋膜等の癒着・偏り等を原因とする顔面神経にかかる圧の軽減
② 体液循環の正常化≒むくみの解消・神経機能回復
③ 頭蓋骨調整により筋緊張のさらなる軽減・(予備的に骨格のズレによる神経への悪影響の軽減)
を図るということになります。
施術の経過
Iさんは、徐々に悪化している経過もありました。また、顔面神経麻痺は早期治療で回復が期待できる症状であるためIさんの意向から週に2回~3回の施術を行うこととなりました。
初回:施術直後、目をと閉じる動きと、口をイーとする動きに若干改善が見られましたので、この時点で改善の可能性があるということが分かりました。
2回目:前回施術直後に少し良くなった動きは、元に戻っていました。一見残念に思えますが、一度によくすることはできませんので、良い働きかけの継続が大切です。今回の施術直後も動きが少しよくなりました。
Iさんの娘さんは「お医者様からは、長期間かかることが多いと言われていました。じっくり取り組むのが必要ですね。」と腹を据えられたようでした。
また「自分でできること」をいろいろ質問され、アドバイスを意欲的に実践していきました。
3回目:今回は前回からの戻りが少なくなりました。また施術直後の改善度合いが前回より向上しました。良い経過です。
4回、5回と施術を繰り返すうち、施術直後の改善度合いが向上していき、次回まで良い状態を保てる期間が長くなり、戻りも穏やかになっていきました。
施術開始から3週間、全くと言う程動かなかった右側の口元に改善が見られ、病院での評価は10から18に。
施術開始から約1ヶ月経過した2月初旬時点では、改善度合いは加速度的に向上し、口角も上がり、注意して見ないとお顔の左右差が分からない程に改善しました。今後の病院での評価が楽しみです。
施術家からのコメント
徐々に元の笑顔を撮り戻していくIさん。「治る希望が見えて安心しました。」と言われた娘さんの言葉が印象的でした。
今回は、娘さんと相談の上、ステロイドの治療を併用しましたが、施術直後の改善状況を見ると、お役には立てたかなと思っています。
病院での治療と施術とが、相互に良い作用をしている可能性もあると思います。
でも、何より、Iさんと娘さんが、治るための取り組みを最優先し、施術家のアドバイスを素直に実行されたことが、以前の笑顔を取り戻された最大の要因だと思います。
なぜなら、病気やケガは偶然ではなく生活習慣の積み重ねによって引き起こされるからです。
今回の取り組みは一つの症状を治しただけではなく、そこで得た知識と経験とが、これからの毎日に役だって行くのだと思います。