手首の小指側の痛み|30代 女性
3年以上続く右手手首の小指側の痛みとしびれで来院されたSさん(39歳・女性・主婦)の症例です。
症状・診断
Sさんの右手手首の小指側に痛みが出たきっかけは3年前、運送会社での荷物の仕分け業務でした。重たい荷物を繰り返し持ったことが負担となったようです。これ以上体が持たないと思ったSさんは半年ほどでその職場を辞め、次の仕事は体に負担がかかりにくいデスクワークを選びました。
しかし、あたらしい仕事は肉体労働ではなくなったにもかかわらず、痛みが改善していく気配は一向になく、パソコンのキーを打ったりマウスを扱う作業でも痛みが出ての繰り返しでした。さらには、家事をするときに包丁で切ったり、物を持ったり、字を書いたりするなどもきつく、日常生活もかなり支障が出ていました。寝起きと夕方以降、あと冬は特に痛みを強く感じました。
整形外科ではレントゲンを撮るも「異常なし」。特に診断名はつかず、痛み止めと湿布を処方されて使っていましたが、やはり改善せず。症状は手首の小指側の痛みと合わせて、肘から薬指と小指の指先まで全体的にしびれもありました。(診断は受けていませんが、一部「尺側手根伸筋腱鞘炎」と近しい症状があらわれていました)
「もうこのまま一生治らないのかな。」そんな状態が2〜3年続いたある日、腱鞘炎に関するYou Tubeを見つけました。そこで紹介されているセルフケアを行ったところ、これまで何をしても変わらなかった症状が少しよくなったそうです。
それが当院のYouTubeチャンネルでした。
治るかもしれないと感じたSさんは、すぐに当院のホームページを調べ、予約をされました。
(※Sさんの手首の痛みが症状が改善した動画はこちら↓)
治療計画・方針
Sさんの体は、全身に緊張が見られました。特に、首〜肩〜腰のこりが強いことはSさん自身も自覚がありました。肩こりと頭痛、腰痛は慢性化していました。
また、肩は強い巻き肩で、上腕はコチコチ、前腕はパーンと全体的に張っていました。しびれが出ている右側の肘周りには豆粒大のしこりがあり、軽く触れただけでも痛みが出ました。
首や肩の筋肉の緊張が腕〜肘〜手首の動きを悪くし、手や指の力みグセもまた首や肩の緊張につながるという悪循環に入ってしまっているかもしれないと考えました。
初回の施術では、これらの部位を中心に全身に施術を行いました。
症状改善までの経過
2回目の来院時:初回の施術直後、体の力があまり入らなくなり、頭もボーッとして強い眠気がその日一日中続く。手首の痛みは「これまで使った時しか痛くなかったのが、この1週間はお風呂に入ったときや何もしていない時にも痛みが出たので、少し心配になりました。」とのこと。
※Sさんには、痛むことは必ずしも悪いことではないこと、なぜ痛みが出るのか?についてお話し、今回の痛みは体が回復する過程で起きている可能性があることをお伝えしました
3回目:「はじめの痛みが10だとすると、5〜6くらい。半分になりました。」しびれも感じなくなる。前回は痛みの頻度が増えて心配になったが、今回は楽になり、「びっくりしました。なんでこんな優しい施術で?」と不思議そうな様子。
4回目:痛みレベルが7まで戻る。「昨日パソコンを使って作業をしたら痛みが強くなった。」とのこと。それまでは良い状態が続いていた。指先にこれまではなかったムズムズ感を感じた。
5回目:痛みレベルは3まで回復。前までは使えば必ず痛かったのが、「痛みが出たり出なかったりするようになった。」使っても痛くならない時が出てきたのは初めて。「一生治らないと思っていたから、ただただびっくりしています。」
6回目:「さらに良くなってきている感じ。」痛みはゼロではないものの、だいぶおさまってきている。前日に人混みに行ったらそれで緊張したのか、右腕全体に疲れが一時的に出たが、その日のうちにおさまった。初回ほどではないが、施術後、眠気とだるさが毎回起きるとのこと。
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Sさんが初来院してから6回目の施術で約1ヶ月。来るたびに手首の痛みが改善傾向にあるので、このまま週1で様子を見ながら、症状がもう少し安定してきたら、通う間隔を少しずつ空けていく計画です。
デスクワークの仕事ですら痛くて限界を超え、来院する3ヶ月前に仕事をやめていたSさんは、「早く転職活動をしなければ。」と焦り、それがまたストレスになっていました。「でも、無理に就職しても、また辞めることになったらどうしよう…。」と不安でいっぱいだったそうです。
ですが、2回通って手首の痛みとしびれが改善してきたことで、「治る希望が持ててきたので、良くなるまでは転職活動はやめて治療に専念します。」と力強い決意をされていました。
施術家からのコメント
手や指の症状で来院する患者さんは
首や肩周りの筋肉が硬いことが共通しています。
それらの筋肉をゆるめていくことで滞っていた血流が良くなり
必要な箇所に十分に流れることで組織の修復が促進され、
働きが正常化していくと考えられます。
痛みが出ているところだけに対処していくのではなく、
関連している部位など全身のつながりを診ていくことが回復のヒントになるかもしれません。
気になることがあれば、
いつでも近くのFMT整体に一度、ご相談くださいね。