出典:tableatny
一週間前から、走るとすねが痛くなってしまう・・・近くの病院や整形外科に行くと「シンスプリントですね」とお医者さんから診断された。なんで、こんな時ケガをしてしまったんだろう。
シンスプリントは治るものなのか?何が原因で起きたのか?他のチームメイトは、大丈夫なのに、なぜあなただけがシンスプリントになってしまったのか?
不安でいっぱいですよね。
大丈夫。シンスプリントは必ず治る症状です。
シンスプリントには、「偶然」や「使いすぎ」ではないシンスプリントが起きる原因があります。シンスプリントを引き起こす6つの原因を参考に、痛みが起きる原因を理解して、シンスプリントの改善や再発防止に役立ててください。
シンスプリントとは?
主な症状は「スネの内側の痛み」
はじめの症状―
- スネの内側が痛い
- ふくらはぎが痛い
- スネの内側の骨を押すと激痛がする
- 走ったり、ジャンプをすると痛い
- ズーンと、鈍い響くような痛みがある
- 骨がきしむような感じがする
さらにひどくなると―
- 歩いたり、立ったりするだけで痛い
- 何もしなくてもずっと痛い
シンスプリントとは、「スネの内側」が痛くなる症状です。人によっては「外側」にも、痛みが出る場合があります。シンスプリントになる人は、部活を始めたばかりやスポーツ、ランニングなどを始めたばかりの人に多く起きるため「初心者病」と言われます。
シンスプリントは我慢して練習していると「疲労骨折」を起こす
シンスプリントは、厄介です。シンスプリントの症状が軽いうちは、練習をしているうちにだんだんと痛みがなくなってくることがよくあります。そのため、シンスプリントの状態でも練習が出来てしまうのです。
そのためか、「痛みを我慢しながら練習を続ければ治る」と言われています。これは、間違いです。
この言葉を信じて痛みを我慢しながら練習を行なうと「疲労骨折」を起こし、半年以上走ることが出来なくなります。
シンスプリントを治すためにはまず、シンスプリントになってしまう原因を正しく知ることが大切です。原因がわからず治療をおこなっても、なかなか治りません。また、シンスプリントの痛みがなくなったとしてもすぐに再発を起こします。
シンスプリントの原因は、筋肉が硬くなり骨を引っ張っているため
この図を見てください。
シンスプリントは「すねの骨の内側または外側」が痛む症状ですが、すねの周りには「ヒラメ筋」「腓腹筋」「前脛骨筋」などさまざまな筋肉が付着(筋肉が骨に付いている)しています。
例えば、「ヒラメ筋」は、走ったり、歩いたり、ジャンプをする時によく使う筋肉です。その動作をするたびに強くぎゅ!ぎゅ!と緊張をして、すねの骨膜(骨膜とは、骨をおおっている膜)を引っ張ります。
この緊張が強く起こり、引っ張り続ける状態が続くと、引っ張られている骨膜が耐えきれずに炎症が起き、痛みが起きます。これがシンスプリントになる本当の原因です。
難しい説明になったが、「シンスプリントの原因は硬くなった筋肉」だと理解していただければOKです。
シンスプリントを完治させるためには「硬くなった筋肉」を柔らかくすればいいのです。ただ、筋肉を柔らかくする前に練習を休まないと思うような治療結果がでないことを先にお伝えしておきます。
では、その前になぜ、シンスプリントを起こしてしまう筋肉が硬くなったのでしょうか?これを知っておくと再発を防止することができます。
シンスプリントの痛みを起こす筋肉を硬くする6つの要因
1:地面を蹴るような走り方をするとふくらはぎの筋肉が硬くなりやすくなる
同じ練習をしていても、シンスプリントになる人と、ならない人がいるのは、体の使い方が違うからです。シンスプリントになる人は、原因の筋肉が硬くなる体の動かし方をしていることが考えられます。
特に、シンスプリントになりやすい人の体の動かし方として「地面を強く蹴るような走り方」をしていることが多いです。
地面を強く蹴るとふくらはぎが披露しやすく、足の指も硬くなります。足の指が硬くなるとすねにかかる負荷が増えます。
この図を見てください。
画像出典:http://www.cramer.co.jp/care/shinsplint.html
すね周辺の筋肉には、足の指と繋がっている筋肉も多いのです。特に、足の指をくつの中で握り続けたまま走っている選手は指の筋肉がかなり硬くなっています。
あなたはどうでしょうか?
自分では、わからない場合はいつも練習しているシューズの中敷きの指周辺を見てください。中敷きに指の型ができていたらそれだけプレー中に指に力が入っているということです。
そんな選手におすすめなのが「足首回し」です。指と足首の筋肉を同時に柔らかくすることが出来るため、ふくらはぎが疲れやすい、ハリやすい選手は毎日お風呂上がりにおこなっておきましょう。足首回しの方法は以下の動画を参考にしてください。
2:練習後にアイシングをしていると筋肉が硬くなる
あなたは、練習後に必ずアイシングをしていませんか?
アイシングは、今日限りやめてください。よく練習後にアイシングをしている選手に「どうしてアイシングをしているの?」と聞くと「みんながやっているから」「常識でしょ」「疲労を回復しやすくするため」といいます。結構、曖昧な理由でアイシングをしている選手が多いです。
アイシングをする目的は2つあります。
- 冷やすことで炎症・内出血を抑える
- 反熱作用(一時的に冷やすことでその後暖かくなる人間の体の反応)を使った血流促進
患部が内出血を起こし、腫れてズキズキ痛むときにはアイシングは有効ですが、普段のケアとして行う必要はありません。反熱作用を利用して、血流の促進で疲労回復のためにアイシングを行われることもありますが、血流の促進効果は、冷やさずはじめから温めたほうが効果は高いのです。
また、冷蔵庫にお肉を入れていると冷やされてどんどんお肉は硬くなっていきます。これと同じくアイシングをすると筋肉は硬くなっていきます。冷やせば冷やすほどシンスプリントの原因である筋肉の硬さを悪化させることになるのです。
この筋肉が硬くなった状態でさらに練習を繰り返していくとシンスプリントになってしまう確率も高くなるでしょう。
3:痛みを我慢しながらストレッチをおこなっていると筋肉が硬くなる
ストレッチは、「気持ちいい」と感じる程度であれば効果的ですが、痛みを感じるほど伸ばしてしまうと、筋肉が硬くなります。痛い方が効く気がしまうが過度なストレッチを続けると、筋肉が硬くなり、シンスプリントを起こす原因になるので注意しましょう。
ストレッチは、正しい方法と、適切な量を覚えましょう。
4:自分に合ったくつを履いていないと筋肉が硬くなる
「砂浜」や、「じゃり道」のように足元が不安定だと、バランスをとろうとして、筋肉に無駄な力が入ります。このように間違った靴選びをしてしまうと、足元のバランスが崩れ、足に大きな負担がかかります。とくに、これらの靴は足に負担をかけてしまいます。
- かかとに高さのある靴
- クッション性のある靴
- ひっかきの強すぎるスパイク
- 靴幅や、サイズの合っていない靴
シンスプリントの原因である「筋肉を硬くしない」ためにも、靴選びはとても重要です。
5:チームの練習メニューに問題があるとシンスプリントになりやすい
あなたのチームには、他にシンスプリントの子はいますか?もし、いるのであればチームの練習メニューの中にシンスプリントを起こしやすいメニューがあるのかも知れません。
一度、練習メニューを見直して負荷がかかりそうな練習メニューがあれば監督と相談してください。見直す基準としてシンスプリントになりやすくなる練習をいくつか上げておきます。
ジャンプ系のトレーニング
- ハードル・ラダー
- バービー
- バウンディング
などジャンプを繰り返すような動きを繰り返し続けるとすねの筋肉が硬くなりやすいです。
ダッシュ→ストップを繰り返す練習
- シャトルラン
- 体育館での練習
急な方向転換もすねの負荷が多くなります。出来ることなら、すねが痛い時には控えるようにしましょう。
6:過度なプレッシャーを感じているとシンスプリントになりやすくなる
シンスプリントは、大きな大会の前になってしまうことも少なくありません。こんな大切なときに悔しさだけが残ってしまいます。しかし、「大きな大会で結果を出さなければ!」とプレッシャーが大きくなるほどいつもより無理をしたり、気持ちも体も常に張り詰めている状態です。ケガをしやすい状態でもあります。
監督からのプレッシャーやレギュラー争いの中で他の子にレギュラーを取られたくない!と焦っているのかも知れません。監督に怒られるのを恐れて「失敗したらどうしよう」と思いながら練習をしているのかも知れません。
そのプレッシャーの中で練習をしていたら、体はずっと緊張し続けたままです。心も体も休む時がなく、どんどん疲労していきます。息抜きの機会を作ってあげるのも良いかもしれません。
「硬くなった筋肉」を柔らかくして、シンスプリントを改善する方法
シンスプリントの原因が、「硬くなってしまった筋肉」であれば、「筋肉を柔らかく」戻してあげれば、シンスプリントは改善できます。
では、どのようにしたら硬くなった筋肉を、柔らかくする事ができるのでしょうか?
シンスプリントの原因になる、「6つの項目」を見直すと同時に、具体的な改善方法を実践していきましょう。
大丈夫。シンスプリントは、改善方法さえ間違えなければ、早期改善が期待できる症状です。
シンスプリントの具体的な治療方法については「シンスプリントを根本的に治して悔いなく試合に臨むための治療方法」で改善までの道のりを分かりやすくまとめてありますので是非参考にしてください。
今すぐ、シンスプリントを治して全力で走れることの喜びを噛み締めましょう。