症例

“何もしないこと”で腰椎狭窄症を改善した専業主婦のⅯさん

何もしない

坐骨神経痛

こんにちは、FMT整体の田中です。

Ⅿさん(70代女性)は、1年前に道路で転んだ時にお尻を強くぶつけてから、こちらにくるまで痛みがずっと続いていた患者さんです。

転んだ時は、すぐに治ると思っていましたが3カ月経っても痛みは引かず、むしろ、右のももの付け根から足先にかけて、痛みを感じるようになってきたそうです。

心配になったⅯさんは病院で検査を受け、お医者さんから説明を受けました。
「痛みは、腰の骨が狭くなった“腰椎狭窄症”という症状で、神経が圧迫されて起きます。これは年齢のせいもありますね。」
と言われ、痛み止めとシップをもらって、しばらく様子を見ることになりました。

でも、しびれは日増しに強くなっていき、台所に立っていると15分ほどで辛くなってきたそうです。

お料理好きなⅯさんの辛そうな様子を見ていた息子さんは、何とかしてあげたい、という思いから、
こちらをお探しになって一緒に来院されました。

Ⅿさんのお体は、寝ている状態でも太ももや腰がパンパンに硬くなっていて、痛みに耐えるために、
無意識に力が入ってしまっているようです。

Ⅿさんは、ご結婚後ずっと専業主婦をされてきたそうです。
「嫁いでからずっと、何かやっていないと気が済まなかったのですよ。」
「痛くなったのは、やっぱり、年のせいですかね?」とおっしゃいました。

FMT整体には、お医者さんから「年齢のせいだから。」と言われ、半分諦めの気持ちで来られる患者さんもいらっしゃいますが、
同じ年齢の方でも痛みや体の不調を感じることなく、運動や趣味を楽しんでいる方もいます。

私たちが患者さんを診てきて思うことは、”年齢のせい”というよりも痛くなる習慣や体の使い方などの無理の積み重ねの結果であり、
Ⅿさんの場合は、自分の事よりもご家族のために長年頑張り続けた体への負担が痛みとなって出たのだと思います。

そんな一所懸命なⅯさんなので、治すことにも真剣です。
2回目に来院された時には、「何か家で出来ることはありますか?」と尋ねられました

私からは、
「まずは、何もしないようにしましょう。できるだけ痛いことをしないで、お体を労わってみませんか?」とお伝えしました。

Ⅿさんは、「体のために何もしない方が良いのですか?」と、はじめはあまり本意ではない様子でしたが、
騙されたと思って、これまでやってきた軽いスクワット運動なども一切中止して、 さらに、私からのアドバイスの趣旨を汲み取って、
体をいたわるために、家事をできるだけ家族にお願いするようにしたそうです。

息子さんをはじめご家族は、Ⅿさんのお願いを快く受け入れお手伝いをしてくださったようです。

家事を初めて休むⅯさんは、何だか家族に申し訳ないような気持ちがあったそうですが、
家ではできるだけ無理をしないよう心掛けたそうです。

そして、8回目に来院された時にⅯさんは真っ先に
「先生!台所仕事が痛みなくできるようになりましたよ。」と、嬉しそうにおっしゃいました。
家事を手伝ってくれた家族に、どうしても料理を作りたくなって台所に立ったそうです。

 

体をしっかり休ませることが、無理を重ねてきたⅯさんのお体には何より治すための環境を整える大切なことだったと思います。

今では、台所に毎日立ちお料理をされているそうです。
でも、時間を決めてイスに座り、長い時間体に負担をかけないように工夫もされているようです。

「やらないことって、最初は戸惑いがありましたけど、こんなに体が楽になってビックリしました。」
「何より家族が協力してくれたことが嬉しかったです。」
と、おっしゃました。

Ⅿさんにとって今回の痛みは大変だったと思いますが、それを通じてお体を労わるきっかけになったり、
家族の絆が一段と深まったことが、Ⅿさんの様子から伝わってきます。

いつまでも、大好きなお料理を大切なご家族に振舞ってくださいね。
私も、そのために施術家として、これからも応援し続けます。

この記事を書いた人

田中学

田中 学

学生時代に腰を痛め、リハビリではじめたウエイトトレーニングにはまる。トレーナーの資格をとったが、友人の体の痛みを改善できなかったことがきっかけとなり、整体の専門学校で勉強。25年勤務した市役所を退職し、意気揚々とセラピストデビューしたが、半年もしないうちに経営危機に、「もう、だめか。」と思った時、偶然FMT整体に出会い一から学び直す。横浜と東京で6年間セラピストとしての経験を積む。父の脳梗塞を機に実家に戻り、現在、FMT整体長野出張所を担当している。