症例

かかとの痛み(足底筋膜炎)|70代 女性

かかと

足底筋膜炎

こんにちは。FMT整体の山極です。

右足かかとの痛みで来院されたNさん(72歳・女性・パートタイマー)の症例です。

症状・診断

Nさんは2年前から病院の厨房配膳で、6:00〜13:00の7時間、立ちっぱなしのお仕事をしてきました。時々うすうすとした痛みをかかとに感じていましたが、ただの疲れと思い、そのうち治るだろうとさほど気にしていませんでした。明らかに痛みが強くなり始めたのは初来院の8ヶ月前からでした。

整形外科に行ったものの特に診断名はつかず、具体的な治療の提案も特になかったそうです。症状は改善する気配がなくどうしたらいいのかわからずにいたところ、姪御さんがインターネットでFMT整体を見つけてくれたそうで、自分の症状が足底筋膜炎のページに書かれていることと当てはまるところが多かったため来院を決めました。

初来院したときは歩くのも辛い状態で杖をお持ちでした。地面に足をついた時の衝撃を和らげるために、足を擦って歩く不自然な動作を続けていたせいか、左側のお尻に筋肉痛も出ていました。また、指で押すと土踏まずの内側に痛みがありました。

そのほか、朝の一歩目が痛むのと、半日立ちっぱなしのため仕事中も痛みがひどく、大きな支障が出ていました。

治療計画・方針

Nさんのお体は下半身を中心に全体的に硬くなっていました。特に足首周辺の筋肉の動きが悪くなっていました。

もともとから足首が硬いせいで足裏に痛みが出たのか、それとも足裏が痛くなったのをかばうために足首が硬くなってしまったかのどちらか、もしくはその両方の可能性が考えられました。

足首が硬くなると、足の甲やすね、ふくらはぎなども連動して動きが悪くなりやすいため、左側のお尻に筋肉痛のような症状が出ていることも無関係ではないと思いました。

まずは足首周りの柔軟性を取り戻すことが先決と思われました。

Nさんは区のスポーツセンターへ毎週水泳に通っていましたが、運動による負担を減らすためと低い水温で体を冷やさないためにも一旦やめてもらい、代わりによく温めることを伝えました。

症状改善までの経過

2回目の来院時:前回施術を受けた後、今まで痛みが出たことがなかった足の甲や左の腰にも、好転反応と思しき痛みを一時的に感じることがあったが、翌朝の一歩目の痛みがなくなる。「一日一日良くなってきた気がする」とのこと。

3回目:前回の後、太ももの前側にハリを感じるようになった。痛くなりそうな気がするのでまだ右足に体重をかけきれていないが、「だいぶ痛みが取れてきた」とのこと。杖もいらなくなる。

調子が安定してきたので、さらなる早期回復のため、FMT整体のセルフケア「足首回し」(下記動画参照)をお伝えする。

足首まわし|足首を柔らかくするセルフケア

4回目:最初の痛みが10だとすると、半分以下に。この日、施術予約の20分以上前に到着されたNさん。「痛くて早くは歩けないだろうと思って家を早めに出たんですが、スタスタ歩けるようになってきたので、今日は早く着きすぎてしまいました」とびっくり嬉しそうな様子。

5回目:「8割型良くなってきた」。けれども、時々痛みが強くなるのと、脚全体のハリが気になるようになったので、脚全体のセルフケアを新たにお伝えする。

6〜8回目:当初痛かった足裏の痛みはなくなる。代わりに足の甲にズキンとした痛みと腫れが出てくることが増えた。また、足裏をつることがあった。すごく痛むわけではなく、全体的な調子は良いので、これまでの週に1回だった通院ペースを2週間に1回にしてみることに。

9〜11回目:まだ足裏は時々つるが、だいぶ良い。プールも再開したが悪化することはない。力をぐっと入れると時々痛むので少し怖さはあるが、痛くない時の方が圧倒的に多い。前は痛くて足を擦って歩いていたのが治ったため、歩き方が違うと周囲の人から言われた。調子が良いので3週間に1回ペースに。

12〜13回目:朝、足の甲と足首に若干の痛みが出ることがあったが、日に日に少しずつ薄れてきているし、生活には全く支障がない。当初一番気になっていた足裏は引き続き全く痛くない。

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実は、Nさんはちょうどこの頃、FMT整体のセラピスト養成学院ホームケアコースに入学し、自分でも施術を学びはじめました。「整形外科でも治らなかったものが治ったので、すごい!何で?ってすごく興味が湧いて。70代なんて私だけだろうけど、思い切って飛び込んじゃいました」と一大決心をしたのでした。

だいぶ調子も良いので、今後はメンテナンスとして1ヶ月に1回ペースで診ていくことにし、その間、学院で学んだ施術を自分の体に行っていくことになりました。

つい最近も来院されたNさんですが、ほんの少しの違和感がたまに出るものの、引き続き順調なようです。昨年の8月に入学して半年間学び、自分で自分に施術を行い続けてきたことで、より微細な感覚に意識が向くようになり、今までよりも早く違和感に気付けるようになったので、早めに休んだりケアをするようになったと言います。

足は、全く使わないで生活するわけにはいかない部位なので、気をつけていてもどうしても負担がかかってしまうところなのですが、Nさんは毎日ケアを丁寧に続けたことで、早期改善と再発防止につながったのだと考えられます。

施術家からのコメント

今回Nさんは、医療機関を受診したものの特に診断名はつかず、「足底筋膜炎」の症状に近いと思って当院に来院されたのですが、当院に来られる患者さんからお話をうかがうと、Nさんと同じような状況を経験されている方は結構いらっしゃいます。

足裏の痛みは、レントゲン等の画像検査などを行っても特に異常が見つからなければ、「異常なし」とされ、湿布や痛みどめを処方されて様子見となることも多い症状の1つです。

仮に、骨棘(こっきょく)などが見つかって、足底筋膜炎などと診断名がついたとしても、どうすれば治るのかはまた別問題で、慢性化した痛みに悩んでいる方がとても多いです。
また、膝や腰の痛みと比べると「足裏(かかと)が痛む」というのはあまり馴染みがないため、なかなか周りの方からの共感を得られにくい症状でもあります。

ですが、当院に来られたそうした患者さん方の多くも、筋肉などの過緊張がとれ、関節の可動域が取り戻されると改善傾向にあることから、もしあなたもまた同じような症状で悩まれている場合、一度診せていただくことで改善の糸口がつかめるかもしれません。

相談だけでも構いませんので、お住まいから一番近くのFMT整体にお電話くださいね。

この記事を書いた人

山極理奈

山極 理奈

ごく普通の会社員だった私がFMT整体と出会ったきっかけは、長年付き合った足底筋膜炎。お坊さんが始めたという整体が大事にしていた「必ず挨拶をすること」という姿勢に感銘を受けた。同時に、自分の健康を自分で整えられるようになりたい、また、家族や友人の役にも立てるかもしれないという思いから、施術家の道へ。現在、横浜センター南院と東京目白院、また訪問施術を担当している。