健康コラム

走るために進化した人体の仕組み②ランナーズハイ

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こんにちは、FMT整体の三輪です。
突然ですが、皆さんは「ランナーズハイ」ってご存知ですか?

ランナーの方なら知っていると思いますが、
あまり走らない方でも名前だけ聞いたことがあるという方も
いらっしゃるかもしれません。

ランナーズハイとは、
長時間走り続けていると快感を感じたり、
気分が高揚してくる作用のことを言います。

「そんなことあるの?」と思うかもしれませんが、
これは、本当にあります。

僕は、学生の頃に出場した長距離のレースで経験しました。
レースの中盤、苦しくて「このスピードで走っていては後半までもたない」と思ったあたりから、
”ふっ”と急に体が楽になり、足も動くようになってスピードが自然と上がっていき、
自己ベストで走ることができました。

スーパーマリオのゲームに例えるとスター(無敵になるアイテム)を取った時のような感覚で
その状態の時だけは疲れを感じないのです。

日々の健康のためやダイエットのためにランニングを始めたのに、
フルマラソンに出るほどに走ることにハマってしまう方の中には、
この走ることで生まれる快感や高揚感が関係しているとも言われています。

なぜこのようなことが起きるのでしょうか?

近年の研究結果によると、私たち人間の体は、有酸素運動(走る)をすることによって、
脳内にβ-エンドルフィンという物質が増幅し、幸福感や高揚感を感じるようになっています。
この状態になると、痛みなども抑えられると言われています。

ただし、このランナーズハイの状態になるためには条件があるようです。
それは、1時間以上の長距離を走っている時、
または、キツイ・苦しい状態で我慢をし続けた時に突然やってくるということです。
(ゆっくり気持ちよく走っていてもなる時はあります)

実は、このランナーズハイと呼ばれる状態は、
私たち人間が昔、狩りをしていた時に必要な機能でした。

前回のブログで人間は自然界で生き延びるために
長距離を走れるように進化したというお話をしましたが、

走るために進化した人体の仕組み① 冷却システム
私たち人間は他の動物のように皮膚が毛で覆われておらず、肌がむき出しの状態になっています。これは、体内の熱を逃がしやすくするためで、数百万とある汗腺から汗と一緒に熱を放出する冷却システムを持っています。

(まだ、前回の記事を見ていない方はご覧ください)

その過程でより走れるように脳の機能も変わっていた可能性があります。

狩猟採取時代、人間は長距離を走って獲物を追いかけたり、
長距離移動をしながら食料を探しますが、
食料にありつけないときには2、3日は何も食べられないこともあります。

そんな限界の状態でも獲物を追いかけたり、長距離を移動して食べ物を探せるように
ランナーズハイという機能が人間には備わっていると言われています。

つまり、ランナーズハイとは、
限界に近づいたところから発動する2段階目のギアのようなものなのです。

また、そのような極限の状態になって
走るのが苦痛すぎては人間は走ることをやめてしまいます。

ですから、痛みを感じにくくして、高揚感を脳がもたらして
走り続けれるようにしているのではないかと思われます。

僕が知っている速いランナーはこれらを利用しています。
その一人の選手にこんなことを教えてもらったことを覚えています。

「レースの時は、キツイけど頑張ればついていける人を見つけて、
我慢して後ろについていけ。そのうちに楽になってくるから。」

これは、まさにランナーズハイの効果を利用して走ることだったんだと思いました。

自分の限界を超えた先に自分が今まで体験したことがない感覚が待っている。
それは、走りじゃなくても同じことなんだと思います。

そんな未知の感覚を味わいたいために
人は限界にチャレンジしたくなるのかもしれませんね。

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この記事を書いた人

三輪 拳

三輪 拳

中学生のとき、オスグッドに悩み、地域の治療院を巡るが1年半治らずFMT整体と出会う。どこに行っても改善しなかった自身の痛みが改善したことに感動し、「自分も将来、困っている人や苦しんでいる人の役に立てる人になりたい」という気持ちを持つようになる。高校では陸上競技をはじめ、山梨学院大学にスカウトで入学するも中退。その後、FMT整体で学び始め、18歳でセラピストデビュー。現在は、FMT整体愛知小牧本院を担当している。