こんにちは。
先日、FMT整体が考える感染症対策の記事を紹介しました。
記事の中では、免疫力を高める要素の1つとして食事について、主におすすめの食べ物や効果的な食べ方についてお伝えしています。(まだの方はぜひご覧くださいね!)

今回の記事ではその補足として、食べ過ぎと免疫力の関係についてお伝えしていきたいと思います。
というのも、新型コロナウィルスの感染防止対策として、都市部を中心に在宅勤務(リモートワーク、テレワーク)の推奨や週末の外出自粛などの要請がでた影響で、
当院の患者さんからも、「家で過ごす時間が増えたことで、ついつい食べすぎてしまう」というお声をよく聞くようになったからです。ちなみに、SNS上でも「コロナ太り」という言葉がトレンド入りしているようです。
免疫力を高めるために食事で栄養を摂ることは必須ですが、食べ過ぎるとかえって免疫力を下げてしまう可能性があるのです。
1.免疫に関わる代表的な白血球
①ウイルスに対して戦ってくれる「リンパ球」
白血球は私たちの免疫に大きく関わる細胞の1つですが、白血球と一口に言っても様々な種類があり、
・細菌などの感染に対処するもの
・アレルギー反応や寄生虫に関係するもの
・血液の血管内凝固を防止するもの
など種類ごとにそれぞれの働きをしてくれています。
(画像拝借:IBDってなんだろう? 潰瘍性大腸炎・クローン病患者さんのための情報サイトHP)
そのなかでも、リンパ球という白血球の一種は、特にウイルスなど小さな異物に対しての処理能力が高い細胞なので、ウイルス系の感染症に対しては、このリンパ球の働きがとても重要です。
では、リンパ球の働きはどうしたらよくなるのでしょうか?
②体の掃除屋「マクロファージ」
そこで登場するのが、これまた白血球の一種であるマクロファージという細胞です。
(画像拝借:内藤メディカルクリニックHP)
マクロファージにも様々な役割があるのですが、代表的なものの1つに、寿命を終えた赤血球・白血球・血小板、細菌、ウィルス、死んだ細胞、ガン細胞など、ありとあらゆるものを食べる「体の掃除屋」のような役割があります。
(画像拝借:一般社団法人日本血液製剤協会HP)
異物侵入時、マクロファージは早い段階で異物を食べ、食べた異物に関しての情報を他の細胞へと伝えて、それぞれの役割ごとに動いてもらう司令塔のような働きもありますので、マクロファージが存分に働いてくれると他の細胞はとても大助かり。
リンパ球もお得意のウイルス処理に専念することができるので、感染症への防御機能が高まります。
ただし、マクロファージにはもう一つ、血液中の栄養処理というの重要な役割があります。
胃腸から吸収された栄養は、血液やリンパ管により最終的に細胞まで運ばれるのですが、食べ過ぎると余分な栄養素や脂が血液中に残ってしまい、マクロファージはその処理で手一杯になってしまいます。
すると、リンパ球をはじめとする白血球のウイルスや細菌などの外敵に対する防御機能は落ち、感染症のリスクが高くなってしまうのです。
2.マクロファージを活性化させるには、食べ過ぎないことが大事。
ここまで少し難しく感じたかもしれませんが、このことを私たち人間に置き換えて考えてみたらわかりやすいと思います。例えば、とてもお腹が空いているときだったら、何を食べても美味しく感じるし、いくらでも食べれてしまいませんか?
私たちがお腹を空かせているととき、言うなれば細胞もお腹を空かせていることになるので、マクロファージは活性化しやすくなります。
ですから、大事なのは食べ過ぎないこと。
わかりやすい身近な例として、私たちは風邪を引いた時には食欲が低下しやすいものですが、体に余分な栄養を入れなくて済む分、マクロファージが侵入してきた外敵への対処に専念できるため、回復しやすくなると考えられるため、理にかなった反応と言えると思います。
野生の動物も、身体の調子が悪くなると食べることをやめて身体の回復を待つと言います。
ですので、この機会に一度見直しをしてみませんか?
3.食べ過ぎを防ぐために見直したい4つのポイント
見直すと言っても食事の習慣は各家庭や各人によって異なるので、「絶対こうすべき!」というものはありませんが、感染症にかかわらず、体の不調の改善スピードを早くするために、FMT整体が日ごろから患者さんに伝えていることをご紹介しますね。
①食事は腹6〜8分目にする
これは感染症問題の真っただ中にある今だけではなく、常日頃から意識しておきたいものではあります。
特に今、在宅勤務で通勤が無くなったり、外出自粛などによって圧倒的に運動量が減っている分、「普段から腹8分目を心がけている」人であっても、もしかすると今までと同じ量ですら食べ過ぎになっているかもしれません。
それがこの状況下で、今までよりも余計に食べてしまっているとすると、マクロファージに余計な仕事をさせることになりますので、満腹まで食べるのは避け、できれば腹6〜8分目を目安としましょう。
食事を食べ始めてから20分ほど経つと満腹中枢が刺激され、満腹感を感じるようになると言われていますので、早食いをやめ、ゆっくりよく噛んで食べると食べ過ぎ防止につながります。
②お腹が「グーッ」となったら食べる
在宅勤務で乱れがちな生活を規則的にするために、
「特に食欲がわかない時もあるけど、昼はいつも食べている時間の通り、一応食べています。」
という方がいたのですが、お腹が空いていない場合は無理に食べる必要はないと考えます。
先にも述べましたが、私たちは体調が良くない時は自然と食欲がわかないようにできています。体調が悪いとまではいかなくても、食欲がないのであれば、それもまた体の自然な反応なので、それに従ってあげた方がマクロファージは活性化しやすいと考えられます。
とはいっても、中途半端な時間にお腹が空いて仕事に集中できなくなったり、抜いた分だけ夜のドカ食いに繋がってしまってはいけないので、食べるならほんの軽くなど、調整されるとよいと思います。
③間食をしない
体を動かすことが減った現代人は、朝・昼・晩の3食でも食べ過ぎているとも言われていますので、栄養的な観点だけで見れば、間食は不要と言えます。
患者さんの中には、チョコレートを1個だけつまむつもりが、気付いたら大袋全部食べ切ってしまって後悔……という方がいました。不思議なことに、特にお腹が空いていたわけでもないのに、何かを食べるとそれが呼び水となって、余計食べたくなる経験がおありの方は多いのではないでしょうか。
また、本人はちょっとしか食べていないつもりでいたけれども、記録してみたところ、一回一回の量は少ないけれども回数が多かったりして、トータルでは結構食べていたことがわかって驚いていた患者さんもいました。
仕事の合間の息抜きがてら、精神的なストレス解消に役立っている面もあるでしょうが、あくまで栄養過多という視点からすると、今の時期は極力控えめが好ましいです。
せっかくなので、意識的になってみるいい機会かもしれませんね。
④朝食を食べない、もしくは生の野菜やフルーツのみにする
先ほども少し触れましたが、昨今、多くの現代人にとって1日3食は食べ過ぎという見解がよく見受けられるようになりました。
一日中デスクワークで、運動らしい運動と言えば出勤で歩く程度の活動量の方にとって、入れているエネルギーに対して、出ていく分が少ない可能性があります。
そこに拍車をかけるように、在宅勤務と外出自粛で活動量が圧倒的に減っている中でおすすめしたいのが、朝食を食べない1日2食生活。
体内時計の観点からも、朝を抜くことは他にも体にとってメリットがたくさんあります。また、どうしても朝抜きは辛い方に向けては、野菜やフルーツをおすすめしていますので、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。

4.まとめ
続・感染症対策として、食べ過ぎと免疫力の関係についていかがでしたでしょうか?
普段からお腹いっぱい食べていたり、間食することが当たり前になっている方からすると、少し難しく感じたかもしれませんね。「わかっていいるけど、美味しくてついつい・・・」という気持ちもよくわかります。
でも、この非常事態、万が一ウイルスに感染して発症でもしてしまったら、食事どころではなくなってしまいますし、悲しいですよね。
ぜひ免疫力をあげて、自分の体(命)や大切な人の体(命)を守るために、一度見直していただければと思います。