こんにちは。FMT整体の柴田です。
「整体院が成り立たない世の中をつくること」
これは、わたしの夢のひとつです。
そんなことを来院される患者さんと話していると、
「えーっ。ここは無くさないでほしいです。」とありがたいお言葉もいただきますが…
整体院が成り立つということは、
痛みや病気、何かしらの不調を抱える患者さんがいる→来院して先生に治してもらう
という構図が生まれますから、痛みや症状を抱える患者さんが存在しつづけることになるわけですね。
少々極端な表現かもしれませんが…
巷にある多くの整体院・治療院などの痛みに関わる仕事をしている界隈では、人々の痛みや悩みを解消するために活動をしているけれど、そういった方がいなくなってしまうと院の経営が成り立たないのが一般的。
そんな恐れから行動するので、業界全体としても、明るい未来にはつながりにくいという現実。なんとも皮肉な話です。
しかしながら現実問題として、
治らないケガや痛みに悩む方は世の中にあふれていて、社会では苦しみから離れるための「癒し」が求められているのも事実。
ですから、今すぐ「整体院を無くそう」ということではなく、
ウイルスをきっかけとして時代や生活が大きく変化している今、あらためて整体院の役割を見直すタイミングなのではないかと感じています。
この業界に入って約15年。
私自身、まだまだ道半ばではありますが…
まずは、「先生」と「患者」。
この関係性を意味する言葉が変わっていったら良いなと思っています。
「先生」は治す人。「患者」は治してもらう人。
当たり前のように存在する配役が、ときに誰かの可能性を奪っているのではないか。
「患者」という役になりきってしまうことで、自分自身のすでに持っているはずの治る力を信じられなくなったり、自分の人生の舵を誰かにあずけてしまったり…そんなことが起こる現場をたくさん見てきました。
本当は、誰もが誰かの「先生」になり得る存在なのだと思います。
「先生」は、偉い人ではなく、たくさんのことを知っている人でもなく、早く生まれた人でもなく、完全完璧な人でもなく、「先を生きるひと」です。
FMT整体のセラピスト(施術家)の約8割は元患者です。
今でこそありがたいことに、先生と呼ばれながら施術をしていますが、私たちも最初から「先生」だったわけではありません。
もともと、あなたと同じように心身の痛みに悩むひとりの「患者」だった私たちは、何も特別な力があったわけではないんです。
誰かより先に「もっていた痛みや悩みが解決した」という経験があって、小さくとも、その経験を誰かに伝える立場にまわったこと。
痛かった過去があるから、今度は自分が…これがすべてのはじまりだったんです。
あなたが今持っているもの、
例えば、痛みや悩みという体験している出来事そのものは、同じ出来事や症状に悩む方にとっての希望になります。
自分の課題に試行錯誤しながらも取り組みつづける、そんなあなたの姿勢は、きっと誰かの背中を押す勇気になるはずです。
痛みがある人も、すでに解決した人も。
立場や肩書に関係なく、さまざまな形で「先を生きよう」とする人々が、それぞれの経験や知恵を生かし、互いに助け合いながら安心して集える場所がこれからの社会に求められているように思います。
FMT整体が、あなたにとってのそんな場所になれるよう、私たちも引き続き、精進していきます。
痛みを治すだけでなく、人生の一部である今を、あなたと一緒に歩んでいけるように。
「患者」「先生」の垣根をこえたところに、新しい発見や面白い出会いがあると思うと…これからが楽しみです。