子どもたちが、スポーツでどこかを痛めると、
「スポーツにはケガがつきもの」
「ケガをするのは筋力が足りないから」
というような考え方があります。
私も施術家になる以前は、そんな風に思っているところがありました。でも今は、それは間違いだと思います。
痛みは、「もうこれ以上やると、こわれちゃうよ」という体からの悲鳴なのです。体の使い方に問題があるために、痛みを出して知らせているのです。
もちろん、これは、スポーツ障害だけに限った話ではなく、体に起こる痛み違和感にも当てはまることです。原因があるから痛みは起きています。
しかし、現実はどうでしょうか?子どもたちに「休む」ということは与えられません。逆に、痛みを我慢させて筋トレを勧めらることもあります。痛みや違和感がある状態では、回復の妨げにつながります。
自分で判断ができない子どもたちでは、自分から休むことは選択しないと思います。施術の現場でも、直接話を聞くと、「みんな痛いのを我慢して練習や試合に出ているから」という風潮のようです。
だから周囲の大人たちが、正しい方法を伝えてあげてほしいと思いますし、責任は大きいと思います。
痛みを我慢し続けても良いことはありません。姿勢や動作、気持ちのあり方を含めて、これから先もスポーツを続けていくために、今、何かを見直すチャンスなのかもしれません。
そんなことを学んでいくことも、スポーツの意義ではないでしょうか。
がんばれ、がんばれの根性論だけでは治りません。根性を発揮すべきポイントは、ケガの痛みを我慢するところではなく、痛みのない健全な体で一所懸命取り組むことや、苦しい時に簡単にあきらめないところにあると思うのです。
正しい言葉かけ、アドバイスで応援できる大人たちでありたいですね。