スマートフォンの長時間の使用やリモートワークなどの影響もあってか、
最近は患者さんから目に関するご相談が増えています。
今回は、目の疲れ・眼精疲労の原因と改善方法についてお話します。
眼精疲労とは?
一晩寝れば自然に回復する一時的な「疲れ目」とは違い、
寝ても休んでも回復せず慢性化したものを「眼精疲労」といいます。
眼精疲労は、
目の痛みや重さ、ぼやけ、かすみ、ショボショボ感、まぶしさ、乾き、充血、まぶたのけいれん
など、目自体の症状はもちろんのこと、
肩こりや首こり、頭痛、吐き気、めまい
など、目以外にも症状があらわれることがあります。
眼精疲労の原因ってなに?
何らかの原因で目の周りの筋肉が緊張していることが考えられます。
目の周りの筋肉にはいくつか種類があります。
まず、私たちが目(眼球)は、「外眼筋(がいがんきん)」という6つの筋肉によって支えられており、
この筋肉のおかげで、上下・左右・斜めなど、360度自由に動かせるようにできています。

参照画像引用元:https://biyoshinkyu.net/eye/ganseihirou/
また、近く・遠くなど距離に応じてピントを調整する「毛様体筋」という筋肉もあります。
毛様体筋は、近くの物を見ている時は緊張し続け、逆に遠くの物を見る時は緩むようにできています。

参照画像引用元:http://ajoc.or.jp/how-it-works/
さらに、瞳孔を閉じたり開いたりして入ってくる光の量を調整する「瞳孔括約筋」という筋肉もあります。

参照画像引用元:https://acuvuevision.jp/eyelife/vol18
ところが、パソコンやスマートフォンで、
いつも一定の距離・一定の方向ばかりを長時間見続けたり、画面から刺激の強い光を受け続けると、
これら目の周りの筋肉は過緊張を起こし、調整機能がうまく働かなくなってしまいます。
緊張を起こして硬くなった筋肉は血流が悪くなり、疲労の回復も遅れてしまうのです。
目の筋肉以外から受ける影響
また、目(眼球)の周りの筋肉以外の部位から影響を受けることもあります。
私たちの頭部には、「三叉(さんさ)神経」という神経がめぐっています。
三叉神経は、顔の感覚を脳に伝える脳神経のひとつです。

参照画像引用元:https://minds.jcqhc.or.jp/n/pub/3/pub0132/G0000799/0004
ですので、耳や鼻、口はもちろんのこと、目もその影響をおおいに受けます。
三叉神経は、頭全体〜首まではりめぐらされているため、
側頭部(耳の近く)や顎まわりの筋肉の緊張が続くと、三叉神経が圧迫され、
同じ神経同士でつながり合っている目の周りの筋肉まで緊張させることがあります。
切っても切れない眼精疲労と肩こりの関係
眼精疲労と一緒に肩こりや首こりでお悩みの方はとても多いのですが、それには理由があります。
私たちがものを見るとき、頭蓋骨を支えて頭がぶれないようにするために、
「後頭下筋群(こうとうかきんぐん)」
という首の付け根の奥にある筋肉が緊張するようにできています。
後頭下筋群は、頭部の微妙な傾きを支えて制御すると同時に、
眼球や瞼(まぶた)の動きのブレもコントロールしてくれます。
目と後頭下筋群の動きはセットなので、長時間のパソコン作業のように一定の距離でものを見続けると、
後頭下筋群も一緒に緊張してしまい肩や首がこりやすくなるのです。

参照画像引用元:http://yoshitakaabe.blogspot.com/2021/04/blog-post_18.html
そして、肩こりや首こりによって目の働きがさらに低下するだけではなく、
頭部への血流が低下して頭痛やめまいが起きるといった悪循環に陥ってしまうのです。
ですので、目や顔だけではなく肩や首周りの筋肉の緊張もゆるめていくと、より効果的です。
おすすめのYouTube体操
極力パソコンやスマートフォンを見る時間は必要最小限にして負担を減らした上で、
以下の体操を行っていただくと効果的です。
目の周りをゆるめていく体操です。
デスクに座ったままできるので、お仕事の合間などいつでもどこでも手軽に取り組めます。
+α*FMT整体の枕でのケアもおすすめ
当院の頭痛解消枕(=頚椎牽引枕)お持ちの方は、
上記のYou Tubeのセルフケアと合わせて後頭下筋群もゆるめていただくとより効果的です。
この枕に首を乗せると、自分の頭の自然な重みが後頭下筋群にかかり、ゆるみやすくなりますよ!
最後に
現代は、仕事でパソコンを使わざるをえない方も多く、どうしても目が疲れやすい生活を送りがちです。
でも、その日の疲れをその日のうちに解消して、疲労をためないようにすると眼精疲労を起こしにくくなっていきます。
ぜひ、日々の習慣にしてみてくださいね!