健康コラム

起床時の肩こりや腰痛に影響する?FMT流寝具選びのポイント

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「朝起きた時に腰が痛い」「肩が固まっている」「睡眠は取れているけども、なんとなく疲れが取れていない」

FMT整体に来院される患者さんから、このようなお声をよく聞くことがありますが、一つの要因として寝具の影響が考えられます。

寝ている時間は体が回復する貴重な時間です。この記事では、睡眠時に体を支えている敷布団と枕について、選ぶポイントをお伝えします。

1.なぜ、寝具選びが重要なのか?

1−1.人生の3分の1は寝具の上で過ごしている

睡眠の質は私たちの心身の状態に大きく影響しています。疲労を回復して健康的な体を維持するためには、十分な睡眠時間が必要です。

人によって、確保できる睡眠時間は異なりますが、理想的な睡眠時間は6〜8時間くらいと言われていて、これは一日の3分の1の時間にもなります。

つまり、私たちは人生の3分の1を寝具の上で過ごしているということです。この時間にどれだけ体の疲労を回復できるかによって、起きている時間の体の状態が左右されます。

1−2.約4割の人が「よく眠れていない」

ある寝具メーカーが2017年に実施した睡眠と寝具に関する調査によると、「普段、よく眠れているか?」という質問に対して、約4割の人が「よく眠れていない」と回答しています。

さらに、使用している寝具の満足度では、約3割の人が、「硬い」「柔らか過ぎる」「腰が痛くなる」など、何らかの理由で「寝具に対する不満を抱えている」という結果になっています。

また、不満を抱えている人の中に、具体的な理由がない人もいることから、「自分の体に寝具が合っていないと気づいていない人も一定数いると考えられる」と報告されています。

このようなことからも、身体が回復するために必要な「睡眠の質」を上げるため、寝具選びはとても重要なものと言えます。

2.理想の寝具とは?

2−1.敷布団について

敷布団やマットレスは様々なものが紹介されており、素材、形状など、それぞれの特徴があります。そして、体の大きさや体重、さらには体の柔軟性も人それぞれですので、まずは自分の体の状態に合ったものを選ぶことが必要です。その場合のポイントをお伝えします。

① 自然な「寝姿勢」を保てること

立っている時には背骨が緩やかなS字を描いていますが、寝た状態でもこれに近い姿勢を保つことが、睡眠時に体にかかる負担を減らすことになります。つまり、まっすぐ立っている状態をそのまま仰向けにした状態が自然で無理のない睡眠時の「寝姿勢」なのです。

出展 日本睡眠科学研究所

② 体圧が分散されるもの

敷布団を選ぶ際の視点でよく使われる表現に「体圧分散」という言葉があります。これは、肩や腰などの一定の箇所にかかる体重の負担を体全体に適度に分散させた状態を言います。

日本睡眠科学研究所によると、寝ている時の人の体重は、基本的に頭に8%、脚に15%の体重がかかるのに対し、背中付近に33%、腰に44%の割合で負荷がかかっているそうです。

体圧

出展 日本睡眠科学研究所

そのため、柔らか過ぎる敷布団では、腰が沈んで、くの字になってしまいます。その結果、寝返りも打ちにくく、体の一定の箇所に体重(圧力)がかかり続け、動かさない筋肉が硬くなることで、腰痛などの症状につながりやすくなります。

例えば、日中に座っている時間が長くなると、足がしびれたり、お尻に痛みが出たりすることがありますよね?寝ている間も同じです。

仰向けに寝た場合、体の凹凸やラインに合わせて沈み込み過ぎず、体圧を自然に分散させ、体をしっかりと支えられる適度な硬さの敷布団やマットレスを選ぶことが必要です。

2−2.枕の高さについて

患者さんからは「なかなか自分に合った枕が見つけられない」という声をよく聞きます。枕も素材や形状など様々ですが、首の長さや柔軟性も人ぞれぞれです。ですので、このような“枕難民”になっている人も意外に多くいると思われます。首は多くの血管や神経が束になっている場所です。先に述べた、寝姿勢や体圧分散のポイントからも、枕の高さはとても重要なものです。

首も背骨同様に、衝撃を吸収できるようにS字カーブを描いています。枕が高いとお辞儀をしたような形になり気道も圧迫し、酸素や血の流れも悪くなり疲労回復にも影響します。
ですので、寝ている時にも、首がこのS字カーブを描いていることが理想です。

枕

3.具体的にどのように選べば良いのか?

3−1.寝返りがしやすい適度な硬さがある敷布団を選ぶ

実は、寝返りは体の歪みを整えている作業なのです。小さな子どもはゴロゴロと寝返りをしていますね。あれは昼間に元気いっぱい動き回った体を寝ている時に整えているのです。大人でも同じように整える必要があるのです。

また、昼間の起きている時に同じ姿勢が続くと、体をほぐしたくなると思います。これは寝ている時も同じです。寝ている6〜8時間の間、ずっと同じ姿勢が続くと、上記でお伝えしたように、体が沈み込んで一定の箇所に負担がかかり続ける状態になります。すると動かさないために血流も悪くなり、さらに筋肉が硬くなり、痛みやしびれなどの様々な症状を引き起こしてしまいます。

ですので、寝返りをして体を動かすことができる、柔らか過ぎない適度な硬さがある敷布団、マットレスを選ぶことが必要です。

3−2.枕は使わないのが理想

首に負担のない寝姿勢には、実は、枕を使わずに仰向けに寝るのが理想なのです。
なぜなら、上記でもお伝えしたように、首の骨はまっすぐではなく、S字カーブを描いているので、枕で頭を高くすると本来のS字カーブが消えてしまうためです。

カーブが崩れると、首まわりの筋肉の過緊張が起きて、頭痛、肩こりなどの原因にもなります。さらに、脳に対しての血流不足、酸素不足なども重なり、疲労回復が進まなくなります。

しかし、首の骨の形状や首まわりの筋肉の状態は人によって様々ですので、枕を使っている人が急に使用を止めると、慣れない形を作ることになるので、これも無理な姿勢になって筋肉の緊張を起こしてしまう可能性があります。

ですので、無理なく首のカーブが確保できるようにしていくため、はじめは低めの枕で慣らしていき、徐々に平らに近い状態にしていくことが理想です。また、横向きや寝返りの際の状態も、高すぎない位置で慣らしていくことが理想です。タオルなどを使って調整していくのも効果的です。

FMT整体の枕は、首や肩の筋肉を緩めて、首の理想的なカーブを取り戻す効果があります。このFMT整体の枕は、枕なしで寝られる体を目指すために体を整える治療用の枕です。ぜひ、枕を変えるのではなく、自分の体を整えていきましょう。

4.適切な寝具にすると、どのような効果があるのか?

4−1.睡眠の質が上がり体の回復が進む

寝ている時間は、昼間の重力から解放されて心身がリラックスしていく貴重な時間です。この時間に寝返りによって体を動かすことで、筋肉の緊張を解き、昼間の歪みを整えていくので、起床時の肩こりや腰痛などの軽減につながります。

また寝返りは内臓を動かして整え、神経の圧迫も分散できますので、体の自然治癒力が働きやすくなり、疲労回復に効果的です。起床時だけでなく、1日を通して健康的な体を保ちやすくなります。

4−2.症状の改善例

今回お伝えした内容を実践された患者さんからは、「朝の起床時に腰痛があったが、硬めの敷布団に変えると腰痛が軽減した」「布団の下のマットレスを外してみると腰痛が軽減した」という報告もありました。

また、首回りのストレッチをしたり、施術を受けるなど、首回りの筋肉を緩めてあげることとあわせて、枕の高さを低くしたり、使わなかったりすることで、首の痛みや頭痛が軽減したケースもあります。

5.まとめ

今回は、体の不調にも影響している寝具の選び方についてお伝えしました。体格、体の柔軟性など、体の状態は人それぞれ異なりますので、一概に言えない部分もあります。しかし、今お使いの寝具で、起床時に腰痛や肩こりがある、ちゃんと寝たはずなのに疲労感が残っているなどの不調を感じているようなら、今回お伝えした内容を参考にしていただき、自分の体にとっての最善の状態を見つけるようにしてみてください。

また、今回は寝具の選び方としてお伝えしましたが、敷布団の硬さや枕の高さなどに目を向けると同時に、今一度、自分の体の状態に向き合ってみるのも大切です。例えば、小さな子どもたちは、床の上でも平気で寝ていることがありますよね?あれは、体が柔らかいので、硬い床に対応できているのです。

現代人の多くは、習慣の中で身についた姿勢や体の使い方などが積み重なって、首や腰回りなどをはじめ、体の柔軟性が失われることが多いです。そうした筋肉の硬さが続くと、動きが制限されてしまい、様々な不調につながっていくのです。

ですので、寝具を見直す視点とあわせて、なぜ肩こりや首こり、腰痛などの不調が出てくるのかを考え、普段の姿勢や動きの習慣を見直したり、日頃からのケアをしっかり行ったりして、寝具にも対応できる柔軟な体に変えていきましょう。

この記事を書いた人

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FMT整体

施術現場で積み重ねてきた経験を元に様々な情報を発信していきます。