オスグッドは「成長が止まるまで治らないから、痛みとうまく付き合っていくしか無いよ」とお医者さんに言われた。しかし、部活を休みたくない為サポーターをつけながら練習をしようか迷っている。
このようなお悩みをお持ちではないでしょうか?
今回は、正しいサポーターの選び方をご紹介します。
また、「サポーターをつけていても一向に治らない・・・」
その理由と解決策をお伝えします。
1.サポーターを選ぶ前に知って欲しいこと
こちらのページでは、サポーターの付け方についてご紹介していきますが
まず、最初にお伝えしたいことがあります。
それは、「サポーターで完治する例が非常に少ない」ということです。
サポーターは、痛みの緩和は可能ですがサポーターを付けて治すことは難しいです。
1−1. サポーターで完治する例が非常に少ない理由
サポーターで完治が出来ない一つの理由に「オスグッドの原因が治せない」ことがあります。
オスグッドは、サッカーやバスケットボールなどのスポーツをする中学生や高校生に多く見られる、膝の骨が出っ張って痛いという怪我です。オスグッドの症状として膝の出っ張っている骨を押すと痛い、走ると痛い、正座をすると痛い、自転車を漕ぐと痛い、などがあります。
なぜこの骨は出っ張ってきたのでしょうか?
その原因は、「太ももの前の筋肉が硬くなった」からです。
太ももの前の筋肉はこのボコっと飛び出してしまった膝下の骨に付いています。太ももの前の筋肉が異常に硬くなってしまったことでこの膝下の骨をグイグイと引っ張ります。
その引っ張りに耐え切れなくなった骨がボコッと出てしまうのです。特にまだ骨が柔らかい成長期の子供の骨はボコッと出やすいため、「成長痛」と診断され、「成長がとまるまで治らないから痛みと上手く付き合っていくした無いよ」と言われてサポーターをすすめられます。
出典:https://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/osgood_schlatter.html
痛みを治すためにはこの「筋肉の引っ張り」を改善させることなのですが、この「引っ張る力」を出来るだけ弱くして痛みを和らげる目的で作られている物がサポーターです。オスグッドの原因についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
「オスグッドの原因|オスグッドの原因を引き起こす5つの要因」
一定数ですが、サポーターで改善する方もします。しかし、サポーターを付けていることにより痛みが和らぎ動けるようになったため、本来痛くて出来ない動きも出来るようになってしまい筋肉の引っ張りが治らないまま運動をし続け、サポーターを付けても痛みが楽にならない状況になる方がとても多いです。
また、オスグッドサポーターの場合、出っ張っている痛い患部にずっと刺激が加わります。そのことで、治りを遅くしている可能性も考えられるのです。
オスグッドはサポーターを使って痛みとうまく付き合っていく必要はありません。
オスグッドは、適切な治療をうければ早期に回復していきます。
軽度なオスグッドであれば1回から3回までには痛みがなくなるケースが多いです。オスグッドの治療で半年かかる事は稀です。サポーターを使い、痛みを誤魔化しながら競技を続けていくとすぐに治るものもどんどん治らなくなってしまいます。
出来るだけ、症状が軽いうちにオスグットの原因の「筋肉の引っ張り」を改善する為に専門家に相談することをおすすめします。
サポーターを使わずにオスグッドを完治させる方法は下記の記事に詳しく書いてあります。参考にしてください。
1−2.サポーターは使うべきか?
「この試合だけは出なければいけない」という大会の前であれば治療を受ける為に休むことが出来ないのかも知れません。しっかり治してから練習を始めたほうが痛みをかばいながら動いてしまう動きのくせがつかないので復帰後の戻りが早いです。
私はここで、しっかりと休んで治療に専念することをおすすめします。
ただ、サポーターを使うか使わないかはあなた次第です。
「どうしてもサポーターを使う」のであれば、これからご紹介するサポーターの選び方をご覧ください。
2.あなたに最適なオスグッドサポーターの選び方
オスグッドサポーターには大きくわけて2種類あります。
2−1.膝を全て覆うオスグッドサポーター
膝を覆うタイプのサポーターは、日常生活に使用することをオススメします。特に、少し膝を曲げるだけでも痛みが出てしまう子にとっては、精神的な面も和らげることになるでしょう。痛みの緩和であれば、このサポーターの方が期待出来ます。
メリット:ホールド感が高く安心感がある、ズレにくい、蒸れやすい
デメリット:ホールドしすぎているため動きが制限される
出典:http://www.sp-jujisei.com/img/l010096.jpg
2−2.ベルトタイプ
ベルトタイプのサポーターは、スポーツ時の使用をオススメします。上記で紹介した膝を覆うサポーターよりも軽く、膝を直接覆われないので動きやすいです。
メリット:簡単につけられる、膝の動きが制限されないベルトタイプなので膝の動きを邪魔しないが動いているうちにズレてくる事が多い
デメリット:ズレやすい、強くしめないとズレてしまうため、強くしめなければいけない、強くしめると血流が止まってふくらはぎに疲労が溜まりやすくなる
3.まとめ
サポーターは、付けている時だけ痛みを誤魔化すもので、根本的には治っていないのです。
サポーターを付けてプレー=痛みを誤魔化しながらプレーということです。
これは、「本来痛くて動けない足を無理やり動かしている」ことになります。大切な足が壊れていくことに気づかず、自分でどんどん壊していることになるのです。結果、オスグッドはさらにひどくなり、治るどころか壊れていきます。
さらにサポーターをつけながらのプレーは本来の動きを制限してしまい。サポーターで補われている筋肉はどんどん弱っていきます。結果、全身のバランスは崩れ、復帰後のプレーまでに影響が出てくるのです。
それでもサポーターを使うのであれば、その後、しっかりと治療期間を作って下さい。
ただ、サポーターを使い、痛みを誤魔化し、体を酷使しながら練習を続けた選手に輝かしい成績は待っているのでしょうか?現状、休まずに練習をして伸び悩んでしまう選手は少なくありません。本当に輝かしい成績を残す選手は体に少しでも不具合があると練習を休み治療する選手ばかりです。
根性がないわけではありません。
しっかり治してから練習を始めたほうが復帰後の成長が早いことを知っているからです。これからの将来をわざわざ自分で壊さなくても良いのでは無いでしょうか?いま、一番大切なのは、休むことから逃げずに自分の怪我としっかり向き合うことでは無いでしょうか?
それが出来た時、あなたはサポーターを使わず全力でプレーができているはずです。