あなたのお子さんが膝が痛いというので、近くの接骨院に行くと「オスグッド」と言われた。その先生からは「成長期に起きる痛みだから上手く痛みと付き合いながら運動していくしかないね。太ももの前の筋肉をよくストレッチすると良いよ。」と言われ、週に3回の電気治療とマッサージや毎日をストレッチをおこなっているのになかなか治らない。
少しよくなっては、痛いの繰り返しで、ずっと痛みと付き合うことになるのではないか?という不安も出てきている。そのような状態ではないでしょうか?
お子さんも練習を思うようにできないことでのストレスが溜まっているかもしれません。ですから、早くなんとかしてあげたい気持ちでいっぱいだと思います。
実際、オスグッドは、正しい原因に対して、適切な対処ができれば、早期に回復していく症状です。もし、あなたのお子さんが何ヶ月も治療をしているにも関わらず痛みが治らないとしたら、オスグッドの原因を正しく認識できてないか、正しく対処ができていない可能性が高いです。
このページでは、オスグッドの原因とオスグッドを引き起こしてしまう要因、治すためのポイントをお伝えしていきます。それでは、早速見ていきましょう。
1.そもそも、オスグッドとは?
オスグッドは、膝のお皿の下の骨がボコッと飛び出てきて痛む症状です。その骨を押すと痛みがでるのが特徴で、自転車を漕いだり、階段を登ったり、しゃがむことが痛くてできなくなっていきます。
※まだ、病院や整形外科に行っていないため自分がオスグッドなのかわかっていない方は「オスグッドの症状|自分でオスグッドなのか判断できる3つの特徴」をご覧ください。
これらの症状で病院に行き「オスグッド」と診断をされた方の多くは、
- 成長期(成長痛)
- 使いすぎ(オーバーユース)
のどちらかがオスグッドの原因になっていると説明を受けます。もしかしたら、あなたも病院や接骨院でもこのように言われたかもしれません。しかし、これらはオスグッドの原因ではないのです。順番に説明していきます。
1–1.オスグッドは成長期だからしょうがないは間違い!?
あなたは、病院や接骨院などで「オスグッドは成長痛だから痛みと上手く付き合っていくしかない」とを言われたかもしれません。オスグッドは、成長期である学生に多いことから、一般的には「成長痛」とひとくくりにされてしまうことがあります。しかし、オスグッドは成長痛ではありません。
FMT整体に来られる患者さんの中には、「オスグッドは成長痛だから高校生になったら治るよ」と言われたにも関わらず、20歳になっても痛みが治らないと来院された方もいました。大人になってから”オスグッド”と診断された方もいるぐらいです。
また、成長期に起きる痛みがオスグッドだとしたら、あなたのお子さんと同じ年齢のチームメイトは全員オスグッドになってしまうはずですが、実際はそうではありません。
ですから、「オスグッドは成長痛だから成長が止まるまで痛みと付き合っていくしかない」というのは間違いです。成長期であってもきちんと痛みを改善することはできるのです。
1−2.使いすぎ(オーバーユース)だとオスグッドになるのか?
オスグッドは、「使いすぎ」「練習のやりすぎ」が原因とも言われます。もし、使いすぎであれば、なぜあなたのお子さんと同じ練習をしている子供たちはオスグッドにならないのでしょうか?実際、もっとハードな練習をしていてもオスグッドにならない子はいます。ですから、使いすぎていることが原因ではないのです。
では、オスグッドの本当の原因は何でしょうか?次に説明していきます。
2.オスグッドの本当の原因とは?
2−1.オスグッドの痛みの原因
オスグッドの痛みの原因は、「太ももの前の筋肉の硬さ」です。以下の画像を見てください。
出典:https://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/osgood_schlatter.html
オスグッドになると、ひざのお皿の下の骨が飛び出てきます。その骨が痛いので骨が痛みの原因ではないかと思う方もいますが実際は違います。
骨が出っ張ってくる所には、太ももの筋肉がくっついています。上の画像のように太ももの前の筋肉が硬くなることによって筋肉が骨にくっついている部分が引っ張られます。そして、その引っ張る力に耐えきれなくなると骨が剥がれます。特に小・中学生はこの骨が軟骨でできているので剥がれやすいのです。これが成長痛と一緒にされてしまう理由でもあります。
しかし、この剥がれてしまった骨が原因ではなく、骨が剥がれてしまうほど強い力で引っ張っている太ももの前の筋肉が原因になっているのです。ですから、オスグッドを治すためには、太ももの前の筋肉を柔らかくして、骨に対しての引っ張りをなくすことが大切です。
2−2.太ももの前の筋肉にストレッチやマッサージをしているのに治らない理由
あなたのお子さんもすでに「太ももの前が原因だ」と言われ、ストレッチやマッサージをしているかもしれません。それでも、オスグッドが治っていないとしたら、そこには2つの理由があります。
- 筋肉を柔らかくするための治療方法が間違っている
- 筋肉を硬くしてしまう要因が解消されていない(治療してもすぐに筋肉を硬くしてしまう)
1番目の治療方法に関しては「オスグッドを根本的に治して全力でスポーツに打ち込むための治療方法」に詳しく書いてありますので、確認してみてください。
ここからは、2番目の「筋肉を硬くしてしまう要因」を説明していきます。
3.太ももの前の筋肉を硬くしてしまう5つの要因
なぜ、他のチームメイトと同じ練習をしていたにも関わらず、あなたのお子さんだけがオスグッドになってしまったのでしょうか?そこには、オスグッドになりやすい要因があったはずです。そして、その要因が解消されないとオスグッドの回復もしづらくなります。
私たちが多くのオスグッド患者さんを見てきた中で共通していた5つの要因をお伝えしようと思います。この要因を気をつけるだけでもオスグッドの治りが早くなりますし、オスグッドになった後にも再発しにくくなります。
要因①姿勢(骨盤が後傾している)
オスグッドになりやすい子は、普段の姿勢が猫背であることが多いです。以下の図を見てください。
このようにオスグッドの子の多くは、背中が丸くなり、お尻が下がってしまうような姿勢をしているのが特徴です。この図の骨盤後傾の状態です。
これは、実際に実験として、やってみていただきたいのですが、自分の太ももの前の筋肉を手で掴んだまま、骨盤を前傾、後傾して見てください。骨盤が後傾すると太ももの前の筋肉が硬くなることがわかると思います。
オスグッドになりやすい子は、普段から、骨盤が後傾している姿勢で生活しているため、スポーツをしている時も骨盤が後傾したまま動いている可能性が高いです。すると、太ももにはかなりの負荷がかかっていくのです。ですから、骨盤周りの柔軟性もオスグッドの改善、再発防止には大切なのです。
骨盤前傾ができるようになると、競技のパフォーマンスアップにも繋がります。おそらく、オスグッドになってしまったということは、骨盤後傾になっていた可能性は高いので、骨盤前傾ができるようになったら今よりもパフォーマンスを上げることができます。
要因②ケア不足とケアをする箇所の足りなさ
あなたのお子さんのチームは練習前後のケアの時間を十分に取っているでしょうか?練習をして体に疲労が溜まった分、ケアができていないと疲労が蓄積していき、筋肉が硬くなりオスグッドの痛みに繋がっていきます。
また、ケアをする箇所も重要です。例えば、オスグッドの患者さんが共有して、硬くなっているのは足首が多いです。足首が硬くなると地面からの衝撃を吸収するサスペンション機能が失われて、ふくらはぎや、太ももの筋肉への負担が大きくなります。
要因③使いすぎではなく、体の使い方
同じ練習をしているにも関わらず、オスグッドになる子とならない子がいる理由は、体の使い方です。これは、①姿勢②ケアに繋がってくるところですが、姿勢が悪い状態で、ケアが不足していくと体に疲労が蓄積して、筋肉が硬くなっていきます。
筋肉が硬くなってしまうと、
- 関節の可動域が狭くなって、適切なフォームがとれなくなる
- 関節が間違った動作を学習する
- 筋肉の反応スピードが遅くなる
など、パフォーマンスが落ち、体が自分の思ったようにうごかせなくなっていきます。パフォーマンスが落ちた状態でもなお、繰り返して練習をしていくので体の使い方は悪くなっていき、オスグッドなどの怪我に繋がっていくのです。ですから、オスグッドが治った後は、筋肉が硬くならないようなケアが大切になるのです。
要因④筋トレ、トレーニングメニュー
筋肉が硬くなってしまう大きな要因として、間違ったトレーニング方法も挙げられます。具体的に言うと「筋肉を大きく(筋肥大)しようと「ただ、やみくもに筋トレをすること」が特に良くないと言えます。
また、以下のようなトレーニングを繰り返すと筋肉を疲労させて、硬くしてしまうことがわかっています。
- うさぎ跳び
- 腹筋・背筋
- ウエイトトレーニング
- バービー
- コンクリートの上での練習
など、これらのトレーニングメニューを否定するつもりはありませんが、まだ、小・中学生の成長期の段階で上記のようなトレーニングを繰り返すことは繰り返しているとオスグッドになる可能性は高くなります。
近年では、従来のトレーニング方法は見直されつつありますが、チームにオスグッドの子が多いとしたら練習メニューや練習環境に問題があるかもしれません。
要因⑤精神的なプレッシャーを感じている
体の筋肉を硬くするのは、トレーニングだけではありません。例えば、失敗をすると監督から怒鳴られるようなチームの子は常にプレッシャーがかかった中で体を動かしています。「怒られないように」「失敗しないように」そうやって精神的な緊張を持ちながら動くと、体も常に緊張状態になります。
このような緊張状態の中で練習をしていくことは筋肉が硬くなっていきます。また、オスグッドなどの怪我をした時も「監督が怖いから休めない」と我慢しながら練習をすることで痛みを悪化させてしまう学生さんは少なくありません。
4.根本的にオスグッドを治すための3つのポイント
では、オスグッドを治すためにはどうしたら良いのでしょうか?これまでお伝えしてきたオスグッドの原因を踏まえて、オスグッドを治すための3つのポイントを紹介します。
ポイント①筋肉の緊張を和らげる
一番最初に取り組むことは、オスグッドの原因になっている筋肉の硬さを柔らかくすることです。ただし、闇雲にストレッチをすればいいわけではありません。筋肉を柔らかくする方法が間違っているとオスグッドはなかなか治りません。
ポイント②適切なケアをする、体の使い方再学習させる
オスグッドの痛みが治ったからといって、それは完治ではありません。「3.太ももの前の筋肉を硬くしてしまう5つの要因」でお話をしたように筋肉を硬くしてしまう要因が残っていると痛みが再発してしまいます。
ですから、要因をできるだけ解消して、痛みが治った後もケアを続けていくことが大切になります。FMT整体で治療をされた患者さんにはその方にあったセルフケアをお伝えして取り組んでもらっています。
ポイント③オスグッドを治療中に家族でコミュニケーションをとる
オスグッドになった時こそ、家族間でのコミュニケーションがとても大切になります。実は、この記事を書いている私(FMT整体 三輪)も元々オスグッドで悩んでいた一人の患者でした。2年間どこの治療院に行っても良くならずに、最後に通ったFMT整体で施術をしてもらい完治させることができました。それから、施術家になり、こうして記事を書いています。
当時、私がオスグットになって練習を休まないといけなくなったことで一番気になったのは、チームメンバーに置いてかれるんじゃないか。ズル休みしていると思われるんじゃないかという不安です。ただ、振り返って見ると、この時にどうやってチームメンバーと接するかは、社会に出てからも活かされるコミュニケーションの勉強になりました。
また、部活をやっている時は、部活に夢中で親との対話の時間も少なくなってしましたが、オスグッドで動けなくなってからは、FMT整体に送ってもらう車の中などで自分のケガと向き合ったり、部活との折り合いを考えたりする中で自然と親との話も深いものとなっていきました。それは、自分の今後の人生を親と向き合って話をするきっかけになりました。
このことから、私は、オスグッドとは、ただの成長期のケガではなく、これからの人生において、1つの分岐点になるようなきっかけになる時期だと考えています。この大切な時期をどのように取り組むのか?はその後の人生にも大きく関わってくるものだと思います。
5.オスグッドを改善するために今すぐできる3つのこと
今すぐできる3つのことは、
- 痛い動作を控える
- お風呂に15分〜20分浸かる
- 骨盤前傾を意識する
です。具体的な方法としては、以下の動画で説明しています。
遠方で通うことが難しい方へ
遠方でFMT整体に通えない方や様々な都合で頻繁に通えない方は「FMT整体の痛み回復理論に基づいて作られたオスグッド セルフケアDVD」を使って、オスグッドのケアをすることもオススメしています。
セルフケアDVDの詳細は「自宅でオスグッド・ジャンパー膝を改善するためのセルフケアDVD」をご覧ください。
オスグッドは、今よりも良い選手になるためのチャンス
私が最後に伝えたいのは「オスグッドになった経験は、マイナスな経験ではない」ということです。今は、練習ができない、チームメイトにも置いていかれるかもしれない。葛藤やイライラ、そんなお子さんを見るご両親の方もなんとかしてあげたいという気持ちかもしれません。
だからこそ、このオスグッドを治すことをきっかけに体を整え、ケアの方法を学び、監督やチームメンバーとの折り合いをつけ、ケガのこと、将来のことも含めてお子さんと真剣に話をしてみる。そのような時間にしていただきたいと思います。
きっとオスグッドが治った時は、オスグッドになる前より良い選手になっています。それが、私たちの願いでもあります。
まだまだ、不安なことはあると思いますが、もしあなたがお子さんのオスグッドを根本的に改善していきたいというお気持ちがあれば、一人で悩まず、一度、私たちに相談してくださいね。