症例

手術をしないで半月板損傷を治したOさん

半月板損傷

半月板損傷

こんにちは。FMT整体の三浦です。

今回は、すこしだけ昔の話ですが、重度の半月板損傷を
手術しないで根気よく治した患者さんのお話をしたいと思います。

初診から1年以上前に右膝内側の半月板損傷と診断された30代男性のOさん。
消防士をなさっています。

整形外科で湿布薬などを処方され様子をみていましたが
一向によくならずにFMT整体のホームページを見て通院されました。

 

半月板損傷の一般的な治療は、リハビリやシップなどで様子を診て、
改善しない場合は半月板を手術で切りとる場合が多いのですが

本来体に必要だから備わっている半月板を切り取ってしまう訳ですので、
それが膝に良い訳がないということは容易に想像できると思います。

実際、半月板を切り取ると、将来的に膝に変形が起きるリスクが
大幅に増大することが分かってきたため、

現在は、なるべく切り取らない、切り取るにしても必要最低限にする
という考えを持つお医者さんが増えているようです。

 

しかし、日常生活への負担や術後の後遺症などの不安などから
Oさんのように、できるだけ手術をせずに膝の痛みを治したいと
考えられている方はたくさんいらっしゃいます。

Oさんはお仕事などで鍛え上げられた均整の取れた筋肉の持ち主
ただ、腰からお尻、太もも、ふくらはぎにかけての筋肉に
疲労の蓄積によるものと思われる硬さがありました。

はじめは、「ロッキング」という膝が伸びなくなる重い症状もあり、
正座もできないような状態でしたが、

8回施術を受け、日常での不便はなくなるまでに快復しました。
しかし、お仕事での訓練を痛みなくしっかりできるようにすることがOさんのゴールです。

 

半月板損傷がなぜ痛むのか?
そもそも半月板にはほとんど神経が通っていませんので、
半月板が傷ついても痛みはほとんど感じないはずなのです。

しかし、ひざ関節を取り囲む関節包の内側の滑膜というところには
痛みを感じる神経がたくさんあり、半月板はこの滑膜にくっついています。

 

半月板は、本来、膝を曲げたり伸ばしたりする動きに合わせて
膝の中で動くようになっているのですが、

この動きに関わる膝周りや太もものの筋肉や筋膜などの組織が硬くなってしまうと、
半月板が膝の動きに合わせてスムーズに動けなくなり、

①傷ついた半月板のささくれのような部分が
半月板が動く際、滑膜の神経を刺激したり、

②膝の骨を通じて半月板に偏った圧力を加えることで
半月板にくっついている滑膜の神経が刺激されたりして、

膝に痛みを出すのだと考えています。

 

ですから、太ももや膝周りの硬くなった筋肉や筋膜を施術で元どおりに柔らかくしてあげれば

半月板が損傷しているいないにかかわらず、
滑膜の神経を刺激しなくなるため痛みが解消されていくのだと考えています。

実際、OさんがMRI検査で半月板に損傷が見つかったのは膝の”外側”の半月板でした。
しかし、実際にロッキングが起こったり痛んだりしていたのは、
画像診断では何の損傷も確認できなかった膝の”内側”の部分です。

Oさんの場合は、上記の②のケースにあたると考えられました。

この事実からも、画像診断での半月板の損傷という結果と実際の膝の痛みとの間に、
因果関係を否定できる余地があることが推測できると思います。

 

施術10回目、来院時の痛みを数字の10レベルとしたら、
痛みレベルは、残すところ1レベルにまでなっていました。

Oさんの太ももの筋肉は全体的には柔らかくなっていましたが、
その分、本当に硬いところが分かるようになっていました。

施術をすると、比較的柔らかい部分は早く柔らかくなり
頑固な硬さがある部分は、柔らかくなるのが遅いので

施術を重ねるごとに、痛みを起こしている本当の芯を
見つけやすくなっていきます。

 

Oさんの場合は、予想どおり太ももの裏側の筋肉が特に硬くなっている状態でした。

半月板損傷の患者さんは、Oさんのように、
もも裏の筋肉(半膜様筋など)が特に緊張している方が少なくありません。

 

これらの筋肉は、内側の半月板の近くを通っていますので
痛みの主要な原因になっている可能性が高いと思います。

実際、半膜様筋は軟部組織を介して内側半月板に繋がっています。

 

施術でまだ硬さの取り切れていない膝の裏側や膝のお皿周りの靭帯などの
細かい部分を丁寧に施術していくと正座も楽になり、

消防の訓練でも思い切りとまではいきませんが
走っていることをお話ししてくださいました。

そして痛みが出ることがあった腰や骨盤周りの硬くなっていた筋肉を充分に柔らかくしていくと
腰の痛みが解消するとともに、頑固だったもも裏の筋肉の硬さも取れていきました。

太ももの筋肉は骨盤と繋がっていますので
骨盤周りや腰、ひいては連動するお腹や背中
ふくらはぎの筋肉などの組織を柔らかくすることも
半月板損傷の痛みを完全に解消させるためにはとても重要
なことなのです。

 

お仕事での訓練をしながらの施術でしたので
施術をしては筋肉が柔らかくなり、疲労をためては硬くなるという、

3歩進んで2歩下がると言うような状況でしたが、
それでも長い目で見ると少しずつよくなっているのが分かりました。

回復に要する期間は、症状の程度や、それまでに負担をかけて来た期間、
疲労蓄積の程度、回復力の差などによって人それぞれなのですが、

早期回復のためには、できるだけ膝に負担をかけない状態で、
定期的に施術を受けることが大切です。

 

Oさんは、はじめのうちは週に1回のペースで通院し、
症状の回復に伴い徐々に2週間に1回、月に2回

痛みが戻るようなら少し詰めて通うなど通院期間を試験的に加減して行き
最終的には、月に1回のペースで施術を受けていました。

その間、歩いていると膝が外れる感じがしたこともありましたが、
だんだん、すぐ治るようになっていったとのこと。

そしてついに、月1回のメンテナンスを続けていく中で、
全力で訓練をしても全く痛みが出ない状態が継続できるようになりました。

・・・初診からすでに11か月が過ぎていました。

 

「調子がいいので今回で一旦通院を終了します。何かあれば早めに来ます。」

「ありがとう・・・ございました。」

と頭を上げられたOさんの目にきらりと光ったものが。
私も胸の奥から熱い物が込み上げてきました。

 

・・・私こそ感謝しております。
不安もあったと思いますが、諦めずに、
前向きに通院してくださったOさんに

横浜院で施術をはじめたばかりの経験の少ない私は、
いつも、いつも、本当に、大きな力をいただいていました。

これからは、膝の痛みや不安を気にする事なく
消防士として多くの方の力になられていくのだと思います。
お体を大切に、思う存分御活躍ください。

この記事を書いた人

博三浦

三浦 博

福島県出身 3人の子の父。元裁判所書記官。ランニングで患った足底筋膜炎が治らず困っていた時、偶然見つけたFMT整体の「足底筋膜炎セルフケアDVD」で痛みが改善し、その後横浜センター南院に通院して足底筋膜炎を完治。一気にFMT整体のファンになり、ここの整体師に憧れました。しかし、今、本当に自分が通っていた院で施術をしているとは、人生の不思議さを感じます。治らないと諦めかけていた時に救ってもらったこの場所で今度は私が皆さんに“治る可能性”をお伝えしていく番です。