症例

【症例】PMS(月経前症候群)と生理痛が改善|女性 40代

月経前症候群

その他自律神経失調症

こんにちは。
FMT整体の山極です。

「生理前のイライラもどうにかなりませんか?」

もともと手首の痛みで通院していたSさん(40代)は、症状が改善していくにつれて、意図せず長年の不眠症も改善しはじめたことから、もしも治る可能性があるなら、といただいたのが冒頭の相談でした。

生理前のイライラに関しては、世の女性の多くが同様の悩みを抱えていることと思います。

いわゆるPMS(月経前症候群)と呼ばれる症状で、月経前に起こるイライラや激しい感情の起伏、怒りの爆発などの精神的症状や、頭痛や倦怠感、むくみなどといった身体的症状が3ヵ月以上続き、日常生活にさしつかえるほどひどい場合に診断されます。

はっきりとした原因はわかっていませんが、ホルモンの変動が関わっているのではないかと一般的にはよく言われています。

症状・治療計画

Sさんは、普段なら気にも留めないささいなことでもPMSのときは過剰反応してしまい、夫と大げんかをしてしまうことが毎月の大きな悩みでした。

ちょっとしたことで大げんかをしてはSさんは罪悪感と自己嫌悪に襲われていました。でも時期が来るとまた繰り返してしまう。本当は怒りたくなんかないのにどうしようもない。

睡眠剤を2錠飲まないと眠れない生活を長年続けていたことからも、Sさんの自律神経のうち「緊張や興奮の神経」と呼ばれる交感神経が過剰に優位になりやすい傾向があるのは明白でした。

施術に通いつつ自分でもセルフケアを頑張っているうちに慢性的な体の緊張はだんだん取れていき、睡眠剤が1錠でも眠れるようになり、それをさらに半錠にし現在では飲まなくても眠れるまでに回復しています。

体をゆるめることで自律神経も整いやすくなることを実感していたSさんは、試しに生理前のタイミングを狙って施術を受けることになりました。

症状改善までの経過①生理痛が改善

まさにイライラ真っ只中の生理前に来院したSさん。
全身を整えつつも、特に下腹部を中心に施術を行ないましたが、率直にいうとイライラにはめざましい変化が見られませんでした。

しかし、生理痛(月経困難症)はとても楽になったそうで、Sさんとしては予期していなかった嬉しい効果でした。Sさんは、中学2年生(13、14歳ころ)で月経が始まった当初から生理痛がひどくて、40代の現在まで一度たりとも薬を飲まない時はなかったそうです。

「体質だからと諦めていたので、こんな日が来るなんて思ってもみませんでした。」とおっしゃっていました。

生理中は不要になった血液を出すために普段以上に排出作用が高まり、全身の血流が増加する時期だと考えられています。しかし、筋肉が慢性的に硬いと、いつも以上に血流は増えるのに通り道=血管は狭いままなので滞りが起きてしまい、内圧(血管が内側から圧迫される)によって痛みが起きやすくなります。

今回は、生理前に体を意識的にゆるめておいたことで、血流の増加に耐えられる準備があらかじめできたことが功を奏したのではないかと思います。

しかし、肝心のイライラは未解決です。Sさんには以下の提案をしました。

家でのセルフケアとして、生理前のイライラが起きるさらに1週間前から、就寝前に子宮に近い下腹部を温めるようお伝えしました。

温める方法は以下が参考になると思います↓

痛いところは温めて!おすすめ温めアイテム4選
冬も本番ですね。この時期はどうしても体が冷えやすくなります。お風呂に入っても布団に入る頃にはすっかり冷えてしまい、痛みやしびれなど症状が強くなってしまうという方も。普段から温めることは大事ですが、いつも以上に気をつけてこの寒さを乗り切るために、体を温めるのにおすすめのアイテムをご紹介します。

Sさんはレンジでチンするグッズをもともとお持ちだったので、寝る前に5分使いました。

症状改善までの経過②イライラが改善

セルフケアを行なって迎えた初めてのPMSでは、なんとイライラが嘘のように出てこなかったそうで、本人はもちろんですが、夫もあまりの変化に驚いていたようです。

長年の症状にここまで早く変化が出たのには私も驚かされましたが、Sさんは定期的に施術に通い、他にもいくつかお伝えしていたセルフケアも日々継続していたので、努力の賜物にほかなりません。

今回のSさんのケースを見るに、体を温めることで改善したことから、冷えからくる血流障害がPMSの症状を引き起こしていた大きな要因の1つだったと考えられます。生理痛が改善したのにも同様のことがいえます。

今はグッズに頼りながらですが、ゆくゆくは自力でも血流がよい状態を目指していきましょうとお話ししています。

これまで、イライラは自分の性格上の問題だと思っていたけれども、実は体の不調のあらわれだったのかもしれないと気づいたSさん。長年ただただやり過ごすしかなかった問題に対して手段があることに安心し、「嬉しいです。」と言っていました。

ちなみに、他の患者さん方を診ていても思うことですが、イライラしやすいとかせっかち、慌てやすい人は、元々の気質の影響もゼロではないかもしれませんが、体の調子が悪いせいで増長されやすくなる傾向があるように感じます。

もしそうであっても、「私はこういう性格だから仕方ないんだ」と諦める前に、体を整えることで解決できる可能性は十分あると、今回のSさんのケースを見て感じました。

施術家からのコメント

一般的にPMSはホルモンの影響だと言われていることは、すでにご存知の患者さんも多いです。

だからといって、目に見えないもの相手に一体どうしたらいいのかわからず、自分なりにストレスを減らしたり、運動をしたり、良いとされる食べ物をいろいろ試してみるも改善せず、行きづまりを感じている方が非常に多い症状の1つだと感じます。

PMSに限らず、全ての病気や症状の原因は1つだけではなく、色々な要因が複雑に絡み合い、積み重なって起きていることがほとんどなので、あくまでSさんのケースは改善例の1つですし、個人差もあると思いますが、他の患者さんでも、近しい改善事例は少なくありません。

現代の医学でもはっきりとした原因が不明と言われているPMSも、なる人とならない人がいる以上、必ず原因があるはずですから、手立てがなくお困りの方はぜひ試してみてください。

また、今回Sさんに共通していたのが、予防が一番の治療であるということ。

・生理の少し前に施術を受けたことで生理痛が起きなかったこと。
・PMSの少し前にケアを始めたことでイライラが出なかったこと。

ですので、症状が出てからではなく、出る前を意識してみてください。

他にも気になることがある方、お困りの方はいつでも電話やメールなどでご相談ください。
通院中の方は担当施術家にお伝えくださいね。

この記事を書いた人

山極理奈

山極 理奈

ごく普通の会社員だった私がFMT整体と出会ったきっかけは、長年付き合った足底筋膜炎。お坊さんが始めたという整体が大事にしていた「必ず挨拶をすること」という姿勢に感銘を受けた。同時に、自分の健康を自分で整えられるようになりたい、また、家族や友人の役にも立てるかもしれないという思いから、施術家の道へ。現在、横浜センター南院と東京目白院、また訪問施術を担当している。