症例

自律神経失調症 術後うつ|70代 女性

自律神経失調症

こんにちは。FMT整体の三浦です。
本日は、FMT整体に自律神経失調症と「術後うつ」で来院された患者さんの症例を紹介します。

術後うつとは、手術によるダメージや痛み、薬の副作用、精神的不安などによって、食欲不振や睡眠障害、焦燥感、全身倦怠感などの症状に悩まされることがある症状名です。

芸能人のネプチューンの名倉さんが発症したことでも有名になりました。

症状・診断

Tさんは、72歳の女性です。令和元年の6月にお腹の手術をしましたが、その後、不眠や、不安感、やる気の低下、気分の落ち込みなどの自律神経失調症様の状態になり、それがひどくなり病院で「術後うつ」と診断されました。

また、右手の親指と右腰、右足親指に痛みがあります。

自律神経失調症と鬱(うつ)は、心身的なストレスが大きな要因として様々な症状があらわれることで共通しますが、鬱は精神的な症状が一定レベルを超えてしまっている場合(精神障害)に診断されますので、明確な区別は難しいことがあります。

Tさんは、手術前までは明るく元気で活動的だったというだけに、手術の心身へのストレスが相当大きかったのでしょう。かなりまいっている様子でした。

 

治療計画・方針

Tさんのお身体は、あまり動いていないからか、全体的には柔らかい状態でしたが、首~肩~腕にかけての硬さや緊張、右腰の痛む部分や、手術をした腹部周辺に明らかな硬さがみられました。

首の硬さは脳の働きを鈍らせたり、脳から全身へ送る指令を邪魔したりするため、気分の落ち込みや自律神経系の症状、筋肉の硬直や動きづらさによる痛みなどの症状を発症させることが多いです。

腰の硬さは坐骨神経を圧迫し足指などに痛みを出すことがあります。また手術部分の硬さは、血流を悪化させ、慢性的な痛みと患部はもちろん全身の炎症反応を促している可能性があります。

このような筋肉などの組織の硬さが原因となりTさんの症状が現れていることが考えられたため、これらの緊張を取っていくことを中心に週に1回のペースで施術を行うこととしました。

また、自律神経系の症状は、脳の興奮が続いていることで心身の緊張を生み、心身の緊張が脳を興奮させるいう悪循環にあることが多いです。

この悪循環を断ち切るためには、心地よい刺激を定期的に与えることが有効です。それが施術を定期的に受けることでも可能となるのですが、

Tさん、ご自宅から海が近いということで、天気と体調の良い日は、心地いい範囲で砂浜を素足で歩くなど、五感に心地よい刺激を入れるようにすることをお勧めしました。

術後うつなどの症状は治る可能性があるということ、そのために自分でも無理なく取り組めることがあるということに、Tさんは安心し笑顔を見せられました。
この「安心」とか、「嬉しい」という状態も改善の大きな要素だと私は思っています。

症状改善までの経過

1週間後の10月4日、2回目の来院日までは特に変化がありませんでした。

Tさんは、「以前は自分のことは自分でやって、人の役に立つこともしていたのに、今は娘に依存している気がします。これでいいのかな。」と悩みを打ち明けてくれました。

「いいんですよ。」「今は、風邪で言ったら40℃の高熱の状態です。治すことが先決ですから。頼っていいんですよ。」などとお伝えしました。

 

3回目の受診は、予定等の関係で1ヶ月後の11月8日になりましたが、Tさん、10月25日以降に、これまで改善の兆しが見えなかった鬱の気分的な落ち込みなどの症状がよくなりはじめたとのこと。眠れるようにもなり、とても嬉しそうでした。

このように、施術後しばらくしてから症状が改善していくことも多いです。

遠方から通われていますし、砂浜を歩くことも負担なく気持ちが良く実践されているとのこと。ご本人も好感触をもっていて、鬱症状も改善しているので、そうであれば、少し間隔を開けた方がこのまま良いリズムを作れると考え、2週間に1回の施術で試していくことにしました。

 

その後も、一時的に気分が落ち込んだり、身体の痛みが強く出たりすることはありましたが、年明けの1月11日の段階では、はじめの辛さを10としたら、2〜3ぐらいの辛さになりました

向精神薬はまだ飲んでいるので、お医者さんと相談の上、徐々に減らしていくということでした。これまで手放せなかった薬を減らす方向に気持ちが向かったということは、不安感が大分なくなってきた証拠だと思います。

現在も2〜3週間に1回のペースで、お友達で、紹介してくださった患者さんのMさんと一緒に通われています。Tさんが車を運転して両膝の痛いMさんを乗せての通院です。

TさんとMさんはお友達で、現在は来院当初とは違い、とても楽しそうに通院されています。

施術家からのコメント

痛いところがあったり、気持ちが落ち込んだりすると、もう自分だけでは八方ふさがりになってしまうと思います。

治そう、どうにかしようと思えば思うほど、心身は緊張してしまいます。

そんな時、どうすればいいのか。

心と体の状態はお互いに影響を与え合いますので、まずは、変化を起こしやすい身体の緊張を解いてあげることで、精神的な症状も効果的に改善していきます。

一旦、バランスを崩してしまうと、これまで頑張ってきた気丈な人ほど、人に頼るのは難しいかもしれませんが、自分一人でどうしようもないなと感じたら、

どうぞ、近しい人を頼ったり、痛い時、辛い時の駆け込み寺であるFMT整体を頼ってみたりしてください。きっとTさんのように良くなっていきますよ。

 

 

この記事を書いた人

博三浦

三浦 博

福島県出身 3人の子の父。元裁判所書記官。ランニングで患った足底筋膜炎が治らず困っていた時、偶然見つけたFMT整体の「足底筋膜炎セルフケアDVD」で痛みが改善し、その後横浜センター南院に通院して足底筋膜炎を完治。一気にFMT整体のファンになり、ここの整体師に憧れました。しかし、今、本当に自分が通っていた院で施術をしているとは、人生の不思議さを感じます。治らないと諦めかけていた時に救ってもらったこの場所で今度は私が皆さんに“治る可能性”をお伝えしていく番です。