「どうもここ最近、すぐにくたびれてしまう、頭がシャキッとしない・・・」
「睡眠時間はとっているはずなのに、日中眠くなる」
「なんだか体が重く、風邪をひきそうな気がする」
誰にでもそんな時があると思います。
かといって、食事内容や運動習慣などの見直しが大事なことはわかっていても、効果を実感するまでにどうしてもある程度は時間がかかってしまいます。
「とにかく今すぐこの疲れを吹き飛ばしたい!」というあなたへ。
私たちFMT整体の施術家も行う、3日続けることで効果てきめんの短期疲労回復法をご紹介します。
1.十分寝ているはずなのに疲れがとれないのはなぜか?
1−1.睡眠は最大の疲労回復
世の中に数え切れないほどあるどんな健康法も、疲労回復において睡眠に勝るものはありません。
私たちの体からは、傷ついた細胞や組織などを修復し疲労物質を排出し疲労回復を助けてくれる成長ホルモンが分泌されますが、1日の中で成長ホルモンが最も分泌されるのは睡眠中です。
睡眠がいかに大事かは、むずかしい理論を語らずとも自分の体がよく知っていますよね。睡眠時間が極端に短かったり徹夜した翌朝は体が全体的に重く、集中力も低下したりと肉体的にも精神的にもひどい疲労感におそわれたことはどなたにもあると思います。逆にしっかりと眠れてむかえた朝は、体が軽く集中力も続きますよね。
スマートフォンの電池が切れたら充電をするように、私たちの心身も睡眠によるチャージが必要です。どんな高性能なスマートフォンだとしても充電が切れてしまえば全く使えなくなりますよね。
ですから、普段から頑張りすぎている方ほど、とにかくたくさん寝る!ことが一番の薬です。
1−2.睡眠の質が低いと疲労回復しにくい
「健康のためには〇〇時間以上寝た方が良い」という情報をあなたも雑誌や本、TVなどで目にしたことがあると思います。
でも、その通りに寝ているのに回復しないとか、むしろそれ以上の時間寝ているはずなのに、朝シャキッと目覚めないとか、いまいち疲労が取れていないと感じる場合、睡眠の「量」ではなく「質」に問題があるのかもしれません。
では、どんな睡眠であれば良質な睡眠といえるのでしょうか?
FMT整体が考える良質な睡眠の大切な条件の1つ、それは体の自然なサイクル(=サーカディアンリズム、体内時計などともいう)に従った睡眠です。
どの生き物もそれぞれの種において24時間周期の中で、いつ起き、いつ食べ、いつ寝るかなどがおおよそ決まったサイクルを持っています。
基本的に私たち人間は昼行性の動物なので、ざっくり言えば朝日とともに目覚めて、日没と共に休むサイクルを持っています。
このサイクルから大きく離れてしまうと、睡眠の質が低下してしまう場合があると私たちは考えています。
1−3.眠りの質を高めることが大事
電気が普及していなかった時代、日没が過ぎれば真っ暗になってしまうので、今よりも寝る時間が早かったことは想像にかたくありません。そして、夜明けとともに目覚めるというサイクルだったと思います。早く寝た分だけ、夜が明けるころにはしっかり回復していたのではないでしょうか。
しかし、私たち現代人はスイッチ一つ押すだけで一晩中明るい部屋の中で過ごすことができるようになりました。
そのことで体の自然なサイクルが乱れ、本来であれば寝るべき時間に起きていたり、起きるべき時間に寝ていたりということが起こるのです。
ですので、私たち人間の基本的なサイクルにできる限り近づけてあげることで、睡眠の質の向上につながると考えられます。
2.良質な睡眠の3つのポイント
それでは、FMT整体の施術家の間に伝わる、いざという時の特効薬ともいえる短期疲労回復法のポイントをご紹介します。
2−1.7時間以上寝る
1つ目のポイントは、7時間以上寝ることです。
睡眠は眠りの浅いレム睡眠と眠りの深いノンレム睡眠の2種類を繰り返します。この2種類の睡眠を1セットにすると約90分間あり、このサイクルを一晩に通常4〜6回繰り返し、自然と目を覚ますとちょうど6〜8時間ほどになるとされています。
成人の平均睡眠時間は7〜8時間と言われていることが多いので、できれば7時間以上は眠れると理想的です。FMT整体にいらっしゃる患者さんにも症状の早期回復のために7時間以上寝ることとお伝えしています。
ただ、ときどき「6時間で自然と目が覚めてしまうのですが、無理にでももう1時間寝た方がいいのでしょうか?」という質問されることがあります。
平均とは、あくまで統計上の数字であって「平均=最適」とは限りません。日中に強い眠気に襲われることなく疲れがしっかり取れた、よく眠れたと実感があれば問題ありませんので、ご自身の体感覚に従ってみてください。
一例ですが、世の中には3時間程度の睡眠で十分なショートスリーパーや逆に10時間以上の睡眠を必要とするロングスリーパーのような方もいます。ここまで極端ではなくても、平均の中でもショート寄り、ロング寄りの傾向などはどなたもあると思います。
年代によっても体質によっても個人差がありますし、同じ人でもその日の状況によっても異なることもあるので正解不正解はありませんが、疲れを短期集中でとるために、できれば目覚まし時計に叩き起こされることなく、朝が来たら自然と目が覚めるだけの睡眠時間が確保できると良いですね。
2−2.22時までに寝る
2つ目のポイントは、22時(午後10時)までに寝ることです。
そう聞くと、
22時〜2時(午後10時〜午前2時)は成長ホルモンが最も活発にでる「睡眠のゴールデンタイム」である
という話をどなたも1度や2度は聞いたことがあるかもしれませんね。
しかし、近年この説には特に根拠がないことが明らかになってきて、何時に寝たとしても成長ホルモンは眠り始めの3時間ほどの間で最も活発に分泌されると言われています。
それなのに、なぜ私たちは22時までに寝ることをおすすめしているのでしょうか?
例えばですが、同じ7時間寝たとしても、22時に寝たのと2時に寝たのとでは、翌朝の体の調子が違いませんか?なんとも気だるいような、疲れが抜けきっていないような感じがしないでしょうか?何時に寝ても関係ないなら、なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。
くり返しになりますが、ヒントは人間の体の自然なサイクルだと私たちは考えます。
寝ているときに私たちの心身を修復してくれるホルモンには大きく分けて2種類あります。
1つは、どんな時間に寝たとしても必ず放出されるホルモンです。
代表的なものが、これまでにもお伝えしてきた成長ホルモンです。睡眠初期の大変深い睡眠である「ノンレム睡眠」で最も分泌され、体の成長や修復などを担います。
もう1つは、夜になって光の刺激が弱まると分泌されるホルモンです。
代表的なものがメラトニンです。眠りを誘ったり睡眠維持などの作用を持つメラトニンは、ノンレム睡眠を誘発してくれる重要なホルモンです。
このホルモンが自然な体のサイクルに大きく影響を及ぼします。メラトニンは、明るいうちは分泌が抑制されていますが、夜になり光の刺激が弱くなるにつれ分泌が増えてきます。これにより良質なノンレム睡眠ができると、成長ホルモンがたくさん分泌され、疲労回復度が高まることが考えられます。
ですが、昔と違って街の中も家の中も夜遅くまで明るいため、メラトニンが適切な時間になっても十分に出にくくなり、寝る時間がどんどん遅くなってしまいます。そして、いざ寝付いても重要な睡眠初期の眠りの質が低くなってしまい、成長ホルモンが十分に分泌されず疲労を残しやすくなってしまうのです。
人体の構造上、暗くなるとメラトニンが徐々に出始め、1〜2時間後には眠気が起こる仕組みになっていますので、季節にもよりますが例えば日没が18時だとすると、20時頃に眠くなったとしても決しておかしくありません。早い分には問題ありませんので、眠くなったら早く寝てしまいましょう。
遅くても22時を最終リミットにしてください。
2−3.3日連続で行う
3つ目のポイントは、①7時間以上寝ると②22時までに寝るを3日連続で行うことです。
一晩しっかり眠れただけでもかなり楽にはなるはずですが、1日だけではすぐに元に戻ってしまう可能性があります。
それまで何週間〜何ヶ月間も溜まりに溜まった疲労物質の排出や傷ついた細胞の修復、さらには脳の記憶整理、ストレス耐性の強化までを、短期間で一気に行おうとしているわけですから、連日行うことが大事です。
1日は24時間ありますが、そのうち体の修復タイムである睡眠の時間は約3分の1、およそ7〜8時間といったところなので、3日続ければ合計で1日分を良質な睡眠にあてることになります。
これは論より証拠で、実際にやってみるとわかります。
3日間続けると驚くほど楽になりますよ!
3.実践するためのコツ
さて、ご紹介したFMT整体流・短期疲労回復法ですが、特別に時間もお金もかからずとてもシンプルなので、やろうと思えばどなたでもすぐにはじめることができます。
とはいえ、いつも遅い時間に寝ることが習慣になっている方が急に試そうと思ってもなかなかうまく寝付けないことなど考えられますので、適切な時間に自然な眠気を誘い、睡眠の質も良くするためのコツをお伝えします。
3−1.寝たい時刻の15〜16時間前までに起きる
「今夜は22時までに寝るぞ!」という時は、その日の朝から準備が必要です。いつも24時や1時に寝ている習慣のある方が、いきなり22時に布団に潜り込んでもなかなか寝付けない可能性があるからです。
ですので、22時までに寝ようとしたら、その15〜16時間前の午前5〜6時までには起きておきましょう。
そして、目覚めたらすぐに朝日を浴びてください。
人体には、目覚めてすぐに太陽の光を浴びると24時間周期の体内時計がセットされ、その約15〜16時間後に眠気を感じる仕組みになっているといわれています。
いつも遅い時間に寝て、遅い時間に起きている方は、初日だけは早起きが辛いかもしれませんが、短期で疲労回復させるために頑張りましょう!
3−2.腹八分目の夕食 & 体を温める入浴
腹八分目は日頃から心がけたいところですが、特に短期疲労回復法を行う3日間は、夕食を食べ過ぎないようにしましょう。食べすぎは体を疲れさせ、回復のためのエネルギーを奪ってしまう可能性があります。多くても腹八分目までで箸を置きましょう。もし食欲がなければ無理に食べる必要もありません。
※以下の記事は、食べ過ぎと疲労の関係を詳しくまとめたものです。記事の中では朝食抜きを推奨していますが、夕食にも通じるところが多いのでよければご参照ください。

もう1つ、就寝前に入浴することで、体の緊張が緩み、血流が良くなって疲労物質の排出が促進されます。
また、人の体温には表面体温と深部体温と2種類あり、深部体温が下がる時に人は眠気を感じますので、入浴によって深部体温を上げてあげると、その後下降がスムーズに起き、自然な眠気が来やすくなります。
3−3.夜はTV・PC・スマートフォンを一切断つ
私たちの脳は常に目に入ってくるもの耳に聞こえてくるものすべてを無意識に情報整理しています。寝る前にSNSやニュースのチェックが習慣になっている方もいるかもしれませんが、寝ている時にもそれらを整理することにエネルギーが使われます。
寝る直前にSNSやニュースを見て興奮したり、怒ったり、悲しんだりして感情が高ぶったまま眠ると、睡眠の質が下がり心身ともに休まりません。せっかく疲労を回復させようとしているのですから、絶対に必要ではない情報をわざわざ取り込むことはありません。
習慣になっている方はチェックしないと不安になったり手持ちぶたさに感じるかもしれませんが、いざやってみたからといってすごく困ることもよほどないですし、逆に快適さを実感するかもしれません。
また、良い情報であれ悪い情報であれ、TVやPC、スマートフォンの画面から出る光の刺激がメラトニンの分泌を抑制してしまい、自然な眠気が妨げられてしまう可能性があります。
せっかくの3日間、夜だけでも完全にデジタルなものから離れてみてはいかがでしょうか?
3−4.呼吸をしやすくするエクササイズ
自然な眠気を誘い、睡眠の質を高めるおすすめのエクササイズがあります。
【肺の機能を取り戻す胸郭ストレッチ】です。
このエクササイズを行うと呼吸が楽になって酸素が体の隅々まで行きわたります。
私たちの体は、酸素が足りなくなると自律神経のうち交感神経という神経が優位になり、足りない酸素を取り入れようとして心臓の拍動を速くし、脳や体を緊張させます。これでは自然な眠気がなかなか起こりにくいですし、睡眠の質も低下してしまいます。
逆に、十分な酸素が体に行き渡ると、副交感神経という神経が優位になり、筋肉を弛緩させ、自然な眠気を誘うとともに、睡眠中に体の修復に必要なホルモンや栄養素が隅々まで運ばれます。
お風呂上がりや寝る直前などにぜひ行ってみてください。
4.まとめ
私たちFMT整体の施術家の間では“特効薬”とも言える短期疲労回復法はいかがでしたでしょうか?
特効薬といっても、特別な食べ物や高いサプリメントを摂るわけではないので、お金も全くかかりませんし、頑張って特殊な運動をするための手間も時間も必要ありません。
ここまで長々と書きましたが、単純に言ってしまえば寝る時間を調整するだけなのです。
1日の中で仕事や家事などを片付けて余った時間を睡眠にあてる・・・という考えから、寝る時間を設定してそこから逆算して行動する・・・というように、今まで脇に追いやられていた睡眠の時間を、1日の中心にすえるつもりで取り組んでみてください。
とはいえ、残業や仕事のシフトで帰宅がいつも22時を過ぎてしまう方もいらっしゃると思いますが、土日週休ならば金土日で実行してみたり、時々おとずれる三連休を利用してみたり、タイミングを見つけてやってみるのがおすすめです。
夜も遅く、連休もない仕事でどうしても連続で行うチャンスがない方は、1〜2日置きでも良いので、なるべく短い期間の中で間を空けずにチャレンジしてみてくださいね。
頭が重かったりのどが痛くなってきて、「まずい、このままだと風邪をひきそうだな」と思ってもこの方法を行うと、風邪を引く前にすっかり良くなってしまいますよ。
季節の変わり目で体調を崩される方も多いこの時期、ぜひお試しください!